えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【新聞書評ピックアップ】朝日新聞2020年3月28日掲載分 

 

 

毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。

 

今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。

 

 

 今週はまずはこちらから。

 

藤田宜永氏の追悼書評

 

 

藤田宜永さんの追悼書評が目に飛び込んできました。

  • 愛さずにはいられない
  • 奈緒と私の楽園
  • 大雪物語 

 

 書評はきりのなつお(作家)さん。

藤田はハードボイルド作家から、恋愛作家に転向したのではない。むしろ、「反恋愛」を書いた作家である。また、藤田は多様な作品を書いてみせるプロ中のプロでもあった。━━━書評一部引用。

 

藤田さんの訃報を知った時、小池真理子さんとの格好いいご夫婦のツーショットがもう見られなくなるのか....と、とても残念な気持ちになった。桐野氏の書評にあった、藤田氏の亡くなる一週間前のエピソードがとても痛々しい。もう自分が長くないことを解っていての行動だったのだろう。小池さんもさぞ切ない思いをされたことでしょう。紹介されている本、特に「大雪物語」は近いうちに読んでみたいと思う。
 
 

 

2冊目です。

 

白の闇:ジョゼ・サラマーゴ

白の闇 (河出文庫)

白の闇 (河出文庫)

 

 

 文庫この新刊!のコーナーに掲載されていました。

 

窮地に立たされた時、人はどのような行動に出るのか。他者への想像力を保てるのか。静かなユーモア、人間味あふれる登場人物、そしてリズミカルな文体が目を背けたくなるような場面をも読ませる。━━━書評一部引用。

 

Amazon内容紹介より

ある男が、突然失明した。それは原因不明のまま次々と周囲に伝染していった。事態を重く見た政府は、感染患者を隔離しはじめる。介助者のいない収容所のなかで人々は秩序を失い、やがて汚辱の世界にまみれていく。しかし、そこにはたったひとりだけ目が見える女性が紛れ込んでいた……。
極限に追い詰められた人間の弱さと魂の力を圧倒的な筆力で描いた現代寓話。2008年映画化で世界的に再び注目されている。

 

コロナの流行に伴い、カミュの「ペスト」がとても売れていると聞いています。「疫病小説」、一度読んでみたかったので、こちらもリストへ入れておこう。今も昔も変わらないであろうパニック時の人々の行動や心理などから、今に役立てる部分が恐らくたくさんあるのではないかと思う。

 

 

 

 

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三冊目はこれ。

 

御社のチャラ男:絲山秋子

御社のチャラ男

御社のチャラ男

  • 作者:絲山 秋子
  • 発売日: 2020/01/23
  • メディア: 単行本
 

 

書評は斉藤美奈子(文芸評論家)さん。

リアルすぎる「職場あるある」に読者は爆笑しつつも肝を冷やすだろう。

 ━━━書評一部引用。

 

「BOOK」データベースより

 社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくる、この世界と私たちの「現実」。すべての働くひとに贈る、新世紀最高“会社員”小説。

 

先日、本書を読み終えました。どの会社にも一定数いると思われるチャラ男君。と聞いて、思い浮かぶ人物がいたら、この本楽しめると思います(笑)小説としても面白い試みをされているなぁと感じました。

 

  

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今週は何といっても藤田さんの追悼書評のエピソードが印象的でした。書評を書かれた桐野さん。書評は「きりのなつお」と、ひらがな名になるのかしら?と、意外な発見もあったり。

 

多くの作品を残した藤田氏。どの作品を読もうか迷いがちですが、こちらの書評は大いに参考になりました。

 

ということで、今週はここまでです。