毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
1冊目はこれ!
鉄路の果てに:清水潔
書評は武田砂鉄(ライター)さん。
父の臀部(でんぶ)には、シベリアで負った大きな傷痕があった。「もしその怪我がなければ」……国、そして戦争に翻弄された父が遺した「だまされた」の意味を探し、そして、かみしめる。わずかな痕跡に思索をぶつけ続ける執念深さに打たれた。━━書評一部引用。
「BOOK」データベースより
本棚で見つけた亡き父の「だまされた」というメモ書き。添えられた地図には、75年前の戦争で父が辿った足跡が記されていた。どんな思いで戦地に赴き抑留されたか。なぜ、犠牲にならねばならなかったか。薄れゆく事実に迫るために、韓国・中国・ロシアへ。国は過ちを繰り返す。何度も。これからも。
2冊目です。
鮪立の海:熊谷達也
澤田瞳子が薦める『文庫 この新刊」のコーナーに掲載されていた一冊です。
明治から昭和初期を舞台とする「浜の甚兵衛」や、東日本大震災前後を描いた群像小説「希望の海 仙河海叙景」と繋がる逸話も多く、併せてお読みいただくのもお勧めだ。
Amazonより
三陸海岸の入り江にある港町「仙河海」。
大正十四年にこの地に生まれた菊田守一は、「名船頭」として名を馳せた祖父や父に憧れ、一人前の漁師になることを夢見ていたが、戦争がはじまり、守一が乗っていた船は海軍の徴用船にされてしまう。グラマンの機銃掃射、米軍潜水艦からの攻撃で船は大破し、父は大けがで漁師を引退、兄は海の藻屑と消えたが……。大正~昭和の激動の時代をひたむきに生き抜いた人々と日常を描いた感動巨編!
3冊目はこれ。 コミックの紹介からです。
じんかん:今村翔吾
書評は大矢博子(書評家)さん。
戦国史ファン以外にはあまり知られていない武将かもしれない。それを著者は織田信長が久秀のことを小姓に語って聞かせるという手法を取り、馴染みがなくてもすんなり物語に入れるよう工夫している。さらに少年期の久秀の登場場面にもある仕掛けがあり、序盤から意外な展開で読者を惹きつける。これらの工夫が単なる読者サービスではなく、「思いを継ぎ、後に託す」という物語のテーマにつながるのには脱帽した。卓越したストーリーテリングも光る。「悪人・松永久秀」の印象を覆す力作。━━━━書評一部引用
「BOOK」データベースより
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?時は天正五年(一五七七年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かした時に直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。大河ドラマのような重厚さと、胸アツな絆に合戦シーン。ここがエンターテインメントの最前線!
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今週は読みごたえがありそうな本をピックアップしました。
ということで、あっという間に6月は終わってしまうといった感じです。じめじめした日々が続き、体調もアップダウンが激しいなぁ。みなさまも、体に気をつけて、夏に向けて体力をつけておきましょう!
ということで、今週はここまで。それではまた来週!