毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。
今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。
1冊目はこれ!
逆ソクラテス:伊坂幸太郎
書評は押切もえ(モデル・文筆家)さん。
どの話も最高の読後感だった。と同時に、深いせつなさも感じた。大人になった主人公たちの、もう戻れない時を思う様子に気持ちが重なり、胸が締めつけられた。
今日も私たちは戻らない時を生きている。あの頃の、ひたむきな気持ちを忘れずにいたい。そう思わせる作品だった。 ━━書評一部引用。
Amazonより
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。
2冊目です。
女と文明:梅棹 忠夫
「ひもとく」のコーナーに掲載されていた一冊です。 書評は山口理栄(育休後コンサルタント)さん。
ここで触れた論文が書かれたのが1959年ということだ。高度経済成長期、つまり専業主婦の妻がいるサラリーマン家庭が大量に生まれる前なのである。なんと先見の明のあったことか。そしていまだに、彼のいう夫婦関係が日本では実現してないことが悔しい。━書評一部引用
「BOOK」データベースより
女性の存在意義とはなにか。近世武士の家庭をモデルとした近代サラリーマンの家庭は、いま大きく変貌しようとしている。話題作「妻無用論」をはじめ著者の女性論・家庭論の代表作を網羅する。
3冊目はこれ。
二枚腰のすすめ 鷲田清一の人生案内 :鷲田清一
書評は横尾忠則(美術家)さん。
著者は哲学者。物事の根源のあり方、原理を理性的に、論理的に組み立てて、相談相手に「なるほど」と思わせる言葉の魔術師なんだから、ご利益がないはずがない。わからなくなっても「わかった」と思えば、悩みも消える。自分の中で主観と客観を対立させているんだから、対立を超越する、とは言わないまでも、そこから離れるしかない。それでもどん底状態まで追い詰められたら、最後は「二枚腰」の構えです。相撲で腰砕けになりそうでならない隠し球のしぶとさが物を言うのです。━━━━書評一部引用
「BOOK」データベースより
弱さを強さへ裏返す!読売新聞の人気連載「人生案内」から名問答を厳選。回答を裏打ちする人生作法を「二枚腰のすすめ」として新たに書き下ろし。さらに付録として、自身の二枚腰の人生を描いた、写真満載の自筆年譜と、全著書リストを収載。
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今週は「悩み」と「答え」が見え隠れする本。
スッキリしないお天気が続きます。せめて本のなかではスッキリした気分になりたい!なんて今にぴったりな読書になりそうな本をチョイスです。
ということで、7月がスタートしました。全国的にも感染者数が上昇し、毎日数字を見るたびに鬱々とした気分になります。今年の夏はどうなるのだろう。気候的にも気になるところです。せめて台風など自然災害が少ない年になりますように。
ということで、今週はここまで。それではまた来週!