えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【朝日新聞書評】2020年7月11日掲載分ピックアップ

 

 

毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。

 

今週はどんな本が登場しているのでしょうか?見て行きましょう。

 

 

道行きや Hey,you bastards!I’m still here!:伊藤比呂美

道行きや

道行きや

 

 

 書評は本田由紀(東京大学教授)さん。

著者は書名に「旅」を意味する言葉を選んだ。ずっと旅なのだ、歳をとっても。誰もが、常に新しいことに驚かされ、わからない明日に向かってつんのめっている。表紙の「(ちくしょう)あたしはまだ生きてるんだ」という言葉のように。 ━━書評一部引用。

 

Amazonより

「あたしはまだ生きてるんだ!」いのち有限、果てなき旅路。カリフォルニアで男と暮らし、子ども育てて介護に行き来、父母を見送り夫を看取り、娘と離れて日本に帰国。今日は熊本、明日は早稲田、樹木花犬鳥猫を愛で、故郷の森や川べり歩き、学生たちと詩歌やジェンダーを語り合う。人生いろいろ、不可解不思議な日常を、漂泊しながら書き綴る。これから何が始まるのか――。

 

 伊藤さんのエッセイは1冊しか読んだことがないが、「力強さ」「生命力」といった言葉が浮かぶ。本書もきっと人生色々あるけれども、常に突き進んでゆく伊藤さんの姿が感じられそうですね。「よし!」と、力と元気を与えてもらえそう!

 

 

 

2冊目です。

水を縫う:寺地はるな

水を縫う (集英社文芸単行本)

水を縫う (集英社文芸単行本)

 

 

 書評は大矢博子(書評家)さん。

彼らは悩みつつも、さまざまな出会いや体験を通して次第に〈普通〉の呪縛から解放されていく。自分と他人を等しく認められるようになっていく。彼らが新たな扉を開く様子はとても清々(すがすが)しく、心が震えた。男らしく。女なのに。母親だから。父親として。家族なら。ステレオタイプな〈普通〉に、優しくNOを突きつける一冊だ。━書評一部引用

  

Amazonより

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

 

「普通」とか「~らしさ」みたいなものって、一体なんなんだろう?特にこのことを考えている渦中にいると出口が見えなくなりがち。そんな時に読んだら、きっとヒントが得られそうな一冊ですね。

 

 

 

「まじないの文化史」:日本の呪術を読み解く

 

 書評は須藤靖(東京大学教授)さん。

自分では解決できない現実を目の当たりにした人間が何かにすがりたくなるのは、今も昔も変わらない。新潟県立歴史博物館での企画展「おふだにねがいを―呪符(じゅふ)―」をもとに書かれたのが本書。その企画の独創性に拍手を送りたい。━━━━書評一部引用

 

 「BOOK」データベースより

「呪い」「祈祷」「結界」「疫病除け」…古代から現代まで続く日本の呪術―おふだに書かれた呪文の意味は?新潟県立歴史博物館、話題の企画展が待望の書籍化!!

 

コロナがなかなか消えない今、妖怪アマビエさん、ほんとどうにかしてください!と、すがりたくなります。アマエビさんマーク付きのマスクをつければ罹らないとかのおまじないがあるといいのに・・・。

 

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今週は、なにか出口を探りたくなるような3冊でした。

自然災害、コロナの感染者の再びの増加と、ここのところ ニュースから目が離せない日々が続いています。町を歩けば、ほぼ100%なんじゃない?ってくらい、皆マスク姿。世の中本当に変わったと実感します。

 

ということで、今週はここまで。それではまた来週!