王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年7月25日分はこちら!!
今週の特集は、「ジャンルの違う2冊の最新作」です。
1冊目はこちら。
法廷遊戯:五十嵐律人
■内容
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、彼らの周辺で不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?2020年7月、エンタメ界に激震をもたらす長編法廷ミステリー!━━Amazonより
優れたエンタテイメント作品に贈られる、公募による新人賞であるメフィスト賞の受賞作。なんと今回は、審査員が満場一致で決まったと言う。
いち早く読んだ出版関係者からは、「凄い作家が現れた!!!圧巻!!!」「リーガルミステリーの歴史に、新たな傑作が加わった。」など、絶賛の声が多数寄せられています。
著者の五十嵐さんも弁護士を目指す若き現役司法修習生。
法廷ものは難しそうという方に、一部、公式サイトで、物語をわかりやすく、マンガにして紹介しているとのことです。
ミステリーに加え、人間ドラマとしても読みごたえのある作品。
2冊目はこちら。
そこにはいない男たちについて:井上荒野
■内容
愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女。
「夫を亡くした女だと、彼には言わないで」
「私が忘れないかぎり、あなたはいるのよ」(実日子)
「私はこの男にほんの少し欲情している」
「夫が死んでほしいと思っているの」(まり)
おいしい料理教室を舞台にしたふたりの“妻”の孤独と冒険の物語━━Amazonより
直木賞受賞作家の井上荒野さんの最新作です。
こちらは井上荒野さんのインタビューで作品紹介。
井上さん:
私も結婚していて、わりとうまくいっているんですけど、昔、悪い男の人と付き合っていた時があって、すごい酷い目にあっていた。彼が一人で旅行へ行くたびごとに、「飛行機落ちればいいのに」って思っていた。死んじゃえば簡単なのにって(大笑い)
かつて愛してた相手がいなくなるということは、どういうことなんだろう?といことを考えたのがきっかけです。
実質的にいないのと、気持ちの上でいないのは、どう違うのだろう。どっちが幸せかというのは、私は決めて書いたわけではない。自分が幸せか、不幸かというのは、自分しか決められないと思っている。
<感想>
いつもご主人と猫ちゃんと穏やかな生活をされている様子をツイッターで拝見していましたが、 映像での荒野さんのインタビューは初めて拝見したかも。ニコニコお話されながらも、ふとダークな言葉を放つあたりが、井上さんの文学に通ずるものが見え隠れしていて、興味深いものがありました。
「実質的にいないのと、気持ちの上でいないのは、どう違うのだろう。」なかなか難しい問題ですが、やはりこれは他人に決められるものではなく、自分が決めることということが本書で描かれているのかな?と感じました。
今週はここまで。それでは、また来週!!