えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【中瀬ゆかりのブックソムリエ】2020年7月30日放送 サキの忘れ物:津村記久子

 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2020年7月30日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

サキの忘れ物:津村記久子

 

 

■著者略歴

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞してデビュー。08年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞、09年「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、13年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、16年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、17年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞、19年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞、20年「給水塔と亀(The Water Tower and the Turtle)」(ポリー・バートン訳)でPEN/ロバート・J・ダウ新人作家短編小説賞を受賞━━「BOOK著者紹介情報」より

  

内容

アルバイト先に忘れられた一冊の本。それは誰からもまともに取り合ってもらえなかった千春がはじめて読み通した本となった。十年後、書店員となった彼女の前に現れたのは。(『サキの忘れ物』)。前の東京オリンピック以来の来日で、十二時間待ちの展示の行列に並びはじめた主人公がその果てに出会った光景。(『行列』)。ある晩、家の鍵をなくした私は居場所を探して町内をさまようことに。一篇のなかに無数の物語が展開!(『真夜中をさまようゲームブック』)。━━「BOOKデータベース」より

 

 

 

今回も小説・短編集です。

津村さんは非日常より、働き、疲弊しながらも、地に足をしっかりつけて生きている人たちを描く作品が多い。

 

中瀬さん:

表題作が特に素晴らしい。サキは外国の作家の名前。

病院の喫茶店で働く女性。お客さんが忘れていった本を手にすることに。実は彼女、18年間生きて来て、最後まで読めた本が一冊もなかった。忘れ物の本はそのお客さんに返すのだけど、その本が気になった彼女は同じ本を買うことにした。彼女はやがて、書店員になって・・・・。

 

 1冊の本が人生を変えるんだということが、ものすごく素晴らしく伝わって来る作品。

 

(全体的に)半径数十メートル中にいる人物を、とても丁寧に描いている。また、自分の中にもそういう部分があるなという「あるある」なんかもあり、すごく愛おしくなる。読書習慣のない人にも、この中の一編でもいいから読んでみてと言いたくなる。

 

(その後、スタジオ内でのフリートークで、面白かった短編の一部を次々と紹介)

 

中瀬さん:

 作風が色々とある。

津村さんが「行列」がキライから出来た話や、幼稚園児の膝にできたかさぶたに王国が出来たなんて話も!いろいろな話があるので、どの作品が好きかは人によって違うだろう。

 

このあたりで「緊急地震速報」が入り、コーナーが中断のまま終了。

 

サキの忘れ物

サキの忘れ物

 

 

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いろいろな短編が入っていて、楽しそうな一冊でした。何編かネタバレしないように内容紹介がありましたが、本当に作風が様々。読むたびに色々な気分になれそう!

 

今回は大地震か?って思われる程の「緊急地震速報」でしたが、実際は揺れることもなくひと安心。司会の垣花さんの落ち着いた声でなんとか冷静でいられましたが、一瞬怖かったです。強震モニタをリアルタイムで見たんですけど、日本列島、凄いことになっていた。あれはなんだったのかな?揺れを感知して反応するものだという認識なんだけど....不思議です。

 

次回のブックソムリエは・・・予告はこんな状態だったのでありませんでした。

 

中瀬さんはTOKYOMXTVの5時に夢中!でもエンタメ番付のコーナーをお持ちで、そちらで紹介された本や映画も、姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!