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新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・BOOK】日没:桐野夏生(2020年10月10日 )

 

 

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2020年10月10日分はこちら!!

今週の特集は桐野夏生さんの「日没」です。

 

日没:桐野夏生

 

 

 ■内容

小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。━━Amazonより


■著者について

1951年生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。99年『柔らかな頬』(講談社)で直木賞、2003年『グロテスク』(文藝春秋)で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』(新潮社)で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え! 』(毎日新聞社)で婦人公論文芸賞、08年『東京島』(新潮社)で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』(KADOKAWA)で紫式部文学賞、『ナニカアル』(新潮社)で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した『OUT』(講談社)で、2004年エドガー賞(Mystery Writers of America主催)の候補となった。2015年、紫綬褒章を受章。『ハピネス』(光文社)、『夜また夜の深い夜』(幻冬舎)、『抱く女』(新潮社)、『バラカ』(集英社)、『猿の見る夢』(講談社)、『夜の谷を行く』(文藝春秋)、『デンジャラス』(中央公論新社)、『とめどなく囁く』(幻冬舎)など著書多数。━Amazonより

  

桐野さん:

私は物書きですけれども、東日本大震災の後に、どんどん空気が重くなっている気がして。自由に何でも書いていいというわけではなくなってきているかなって感じることがある。10年くらいの世の中の変化が私にそういうことを書かせたのかなって思います。

 

 

  

 

 

桐野さん:

小説って時間のかかる芸術なんですよね。全部読まないとわからないのに、その部分だけ言葉をとったり、文脈を無視してセリフの言葉を捉えたりされると、その小説というものの全体の構造がバラバラになってしまう。でも、ネットは短い言葉で表す傾向がありますので、本当はちゃんと読めばわかることなのに、短い言葉だけを捉えて読まれてしまう恐怖っていうのは、私たちは常にあると思います。

 

私がもしマッツだったら、いい作文を書いて、早く出たいと思う。そんな風に生きて行くんじゃないかなと思った。この小説は敗北の物語でもある。

 

(希望を持ちながら読んでいたんですが......最後まで彼女がどうなるかわからない)

 

桐野さん:

私も最後まで迷っていて、校了の最後の終わる寸前まで書き直していた、最後の15行くらい書き足したんです。

 

表現の自由の未来を問う一冊です。

日没

日没

  • 作者:桐野 夏生
  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: 単行本
 

 

 <感想>

 これは楽しみな一冊です。桐野さんのお話を聞いていて、物書きの苦悩がものすごく伝わって来ました。せっかく書いた作品も一部だけ捉えられてしまうという怖さ。全体の構造がバラバラになってしまう恐怖など、悩みも多いのだろうなと感じました。

本書はずっと目が離せないとのこと。ラストも見ものですね。今日のお話を踏まえ、早く読みたいなぁーー。今回この記事を書くにあたって、あらためて桐野作品の文学賞受賞の多さにも驚きです。

それではまた来週!

 

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