王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年10月17日分はこちら!!
今週の特集は朝井リョウさんの「スター」です。
スター:朝井リョウ
■内容
「どっちが先に有名監督になるか、勝負だな」新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した立原尚吾と大土井紘。ふたりは大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。受賞歴、再生回数、完成度、利益、受け手の反応―作品の質や価値は何をもって測られるのか。私たちはこの世界に、どの物差しを添えるのか。朝日新聞連載、デビュー10年にして放つ新世代の長編小説。━━「BOOK」データベースより
■著者について
989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年に『何者』で第148回直木賞、14年に『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞━「BOOK著者紹介情報」より
デビューから10年。今の心境は?
朝井さん:
年齢とかで注目してもらって、そういうものがようやくなくなって、ちゃんと実力で競争しなければならない場所に来たかなという感じがしています。
朝井さん:
自分の考えが移り変わって行くところをきっと体感していただけると思う。
わたし自身もニュースを新聞から知ることは少なくなってきて、新聞で連載を書くって言うことが、小説を連載することによって第一党のようなイメージがあったんですけど、なかなかそうじゃなくなって来てるんだなって、自分自身感じた時があったんですね。原稿料で言うと新聞連載っていうとすごく高くて、読まれている実感はそんなにないけど、原稿料は高いとか、そのアンバランスなところが、もうちょっと考えたいなって部分。「質と価値」をテーマに長編を書いてみるのはいいことなんじゃないかなと思い書きました。
朝井さん:
小説って著者とも違う考えの人、読者とも違う考えの人、登場人物同士でも違う考えの人が共存できる場所と思っているので、今回もきっと読みながらこの人の考えに一番近いと思っていたけど、いや、今はこの人かもしれない。読みながら自分の考えが移り変わって行くということをきっと体感していただけると思うので、そこを味わっていただけたら嬉しいです。
朝井さん:
そうだと思われていたものの本当の形がそうではないものの象徴的なものが星形だと思っていて、今いろんなところでそれが起きている。テレビを観ている人の興味関心が違うのは、作り手も分かっているけれども、何百万人が観るものだから何かひとつの形に整えて届けないといけない。YouTubeみたいに自分が本当に観たい興味関心がぴったりと当てはまるものを見つけられる世界に今なっていると感じる。星が実は星形じゃないといことは、今回の小説で色々書きたかったことを象徴する言葉なんじゃないかな。
これまで気づかなかった新たな価値観に出会える一冊です。
<感想>
わたしは朝井さんのエッセイが大好きで、その面白さの弾け具合に、何度声を出して笑ったことか。なので、生の朝井さんにもそのひょうきんさを期待して画面と向き合ったのですが、「あの朝井君はどこへ?」と言うくらい、ものすごく真面目にトークしてた。まぁ、真面目な小説の話なので笑いはないか・・・(笑)
それにしてもデビューして10年なんですね。ものすごく大人になられたなぁという印象。落ち着いて話す様子を、親戚のおばちゃん的目線で見てしまいました。
それではまた来週!
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