えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】いじめとひきこもりの人類史:正高信男<中瀬ゆかりのブックソムリエ>2020年10月22日放送 

 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2020年10月22日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。

 

いじめとひきこもりの人類史:正高信男

 

 

■著者略歴

1954(昭和29)年大阪府生まれ。霊長類学・発達心理学者、評論家。大阪大学人間科学部行動学専攻卒、同大学院人間科学研究科博士課程修了。京都大学霊長類研究所教授を2020年に退職。『ケータイを持ったサル』『天才脳は「発達障害」から生まれる』など著書多数。━出版社HPより

  

内容

「排除」の起源から「ポストコロナ」の未来像まで――
『ケータイを持ったサル』著者による画期的論考!
野生の動物は不快なものには近づかない。危険を感じればすぐ逃げる。なのになぜ、ヒトの世界にだけ「いじめ」があるのか。その起源は、遊動・狩猟から定住・共同体へ、という劇的な生活変化にある。そこで始まった「よそ者」排除は、異界への「漂泊」「隠棲」を経て、逃げ場のない現代社会において大勢の「ひきもこり」を生みだした。500万年にわたる人類史から、ポストコロナの社会像をも見据える壮大な文明論。━出版社のコメントより

 

 

 

 今週は新書です。

 

中瀬さん:

正高先生はわたしも若い時にお世話になったんですよ。私が研究材料でって(笑)「ケータイ持ったブタ」とか!!でも、本当にユニークな先生だったという記憶がある。本書はいじめとひきこもりの誕生について書かれているんですね。

 

いじめっていうのは人間独特のもので、野生の動物っていうのはそもそも不快なものには近づかないんですよね。キケンを感じたらすぐ逃げますよね。なのに、なぜ人間の世界だけはいじめが成立するのか?

 

(ここで内容を説明)

 

中瀬さん:

今は引きこもりというと、なんか犯罪するんじゃないかとか、ダメだからかひきこもってるんじゃないかとか言われてるけど、昔からそういう存在は結構すばらしい方々が...。それこそ西行法師なんかはドロップアウトしてはみ出してしまっていたし、その後、芭蕉などもそういう暮らしをしていた。

 

色々見て行くと、決してひきこもりの未来が暗いばかりではなく、特にコロナでズームで色々話せたり、SNSとか、発信ツールがもあって。リモートワークも一種のひきこもり状態なわけですよ。それを「巣ごもり」と名付けていますけど、今、みんなその中で、いろんな可能性を模索できる時代が来ているのだから、そこを「ひきこもってるから」って言う風に追い詰めるってことではなくてよいのではないかという気持ちが読んでいてムクムクと湧き出てきました。

 

いじめとひきこもりの人類史 (新潮新書)

いじめとひきこもりの人類史 (新潮新書)

  • 作者:正高 信男
  • 発売日: 2020/10/17
  • メディア: 新書
 

 

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 「ひきこもり」って言うとマイナスのイメージしかない言葉になってしまいましたが、昔からそういう人々が一定数いて、中には素晴らしいものを後の世に残したという話から、やはり物事の起源知ることって大事だなぁと感じました。ひきこもったからこそ生まれる可能性があるということを感じられる1冊なのかな?と思いました。

 

次回のブックソムリエは10月29日かな?予告はありませんでした。

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

 

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中瀬さんはTOKYOMXTVの5時に夢中!でもエンタメ番付のコーナーをお持ちで、そちらで紹介された本や映画も、姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!