王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年10月31日分はこちら!!
今週の特集は瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」です。
夜明けのすべて:瀬尾まいこ
■内容
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる―。生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。━━「BOOK」データベースより
■著者について
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した━━「BOOK著者紹介情報」より
この物語は約2年前、瀬尾さんがパニック障害になったことを元に描かれたものです。
瀬尾さん:
読むのが重くなったり、しんどくなったり、難しくなるような話にはしたくないと思っていました。
(ここであらすじ紹介)
瀬尾さん:
主人公の男の子が、自分の事を好きになれなくても、人のことは好きになることはできる....というのがあるんですけど、それは自分でも好きな台詞です。
山添くんの髪の毛を切るシーンについて、どんなことがきっかけだったか?
瀬尾さん:
わたし自身がパニック障害になって、歯医者と美容院に行くのがすごく億劫で、今は薬飲んだら普通に行けますけど、髪の毛誰か切ってくれたら良いなって思ってて、そう思っているうちに、楽しい感じになっていました。
いつもはとにかく笑って欲しいと思って小説を書いているんですけど、この作品は大事に大事に書いた一冊で、読んだ人に笑ってもらえるだけじゃなくて、なんかホッとしたなとか、明日が待ち遠しいなとか、ちょっとでも良い気持ちになって頂けたらいいなって思いが込められた一冊です。
人生は時に大変なこともあるけれども救いもある。そんな優しい物語です。
<感想>
その人にしか分からない辛さ、特に病気は健康な人たちには見えにくいし、理解されにくいことが多いと思う。そんな時、病気は治らなくとも、その辛さを共有してくれる人がいたならば、それは本当に精神的に大きな支えとなると思う。PMSとかパニック障害などの理解されにくい辛さの中にいる人は本当にたくさんいると思う。そんな人々への力になってくれる小説なのではないかと感じました。
それではまた来週!
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