王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2020年11月7日分はこちら!!
今週の特集は青山七恵さんの「みがわり」です。
みがわり:青山七恵
■内容
逃げ出そうとしたときには、もう遅かった。新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から亡くなった姉の伝記執筆の依頼を受ける。その姉は、生前の姿形が律と瓜二つだったという。取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。律が開けたのは、パンドラの箱だった―。予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編。━━「BOOK」データベースより
■著者について
1983年埼玉県生まれ。2005年「窓の灯」で第42回文藝賞を受賞しデビュー。07年「ひとり日和」で第136回芥川賞、09年「かけら」で第35回川端賞を受賞━━「BOOK著者紹介情報」より
小説に伝記の要素を入れた理由は?
青山さん:
イギリスの作家にミュリエル・スパークさんという方がいるんですけど、その方の「あなたの自伝、お書きします」っていうのがあるんですね。本当の真実よりも真実らしく思わてしまう現象が、とても面白いなぁと思っていて、自分も人の人生を書くと言うモチーフで書くということの危うさとか、ひきつけられてしまう不可解さみたいなものに迫ってみたいなと思ったのがキッカケです。
(ここであらすじ紹介)
青山さん:
個人的にすごく親しい人と似ている人を街中で見かけたり、テレビの中で見かけたりすると、その(親しい)人に感じているのと同じくらいの親しみを勝手に抱いてしまうことがあるんですけど、例えば自分のお母さんにすごく似ている人がいたとしたら、お母さん!って思っちゃうことありませんか?
自分でひとつフィクションを作って勝手にその人に押し付けているというか...。この話に出て来る人の多くが誰かで誰かを代用していたり、何かで何かを代用したり、いろんな現実より代わりになるものを見ているような側面がある。
「みがわり」で描きたかったことは?
青山さん:
もともと人の一生を書くと言う伝記のモチーフから始まったんですけど、私も彼女と同じ20代前半でデビューしたので、もしかしたら私もこうなっていたかもしれない、常にあり得たかもしれない過去を書いているという側面もある。それが、自分の生きる場になっていくんじゃないかなっていう感触は書いていて感じた。
事実か、フィクションか。予測不能なラストへ向かって疾走していく傑作長編小説。
<感想>
横澤夏子さんの〆の感想で「すごく面白かった」と何度も連発。ものすごく感情を込めてお話されてたのが印象的で、いやぁー上手いなぁ、乗せられてしまうなーと(笑)
青山さんがお話されていた「あなたの自伝、お書きします」はこちら。合わせて読みたくなりました。
それではまた来週!
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