えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・BOOK】綿矢りさ×村田紗耶香・大切な人に贈りたい本&インタビュー(2021年2月6日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2021年年2月6日分はこちら!!

 

今週の特集は2人の芥川作家がオススメする「大切な人に贈りたい本」を紹介!綿矢りさ×村田紗耶香さんが登場です。 

 

(自分のプライベートのことを忘れていて、ずっと恋をしていないんです。お二人は愛とか人の心の名手だと思っているんですけど、どうしたら恋ができるのか、是非教えていただきたいです)

 

綿矢さん:

意外と関係のない登場人物同士が「なんか仲良くなって来たな~」みたいな。相性がこの二人よっぽどいいんじゃないか、っていうのを小説で書いたりするので、恋をしたい!誰かを好きになりたい!というよりは、「なんかウマが合うな」とか、「相性が合う人がいるな」、それが恋になることもあるのかなって。

 

(藤森さんかな~~~(笑)彼女いるんですよね。失恋です。)

 

村田さん:

 

恋のマニュアルを頭の中で作り上げていて、「恋」という言葉に支配されていて、でも既成の形じゃない恋愛をいくらしてもいいんだ。自分の中で恋ってものが何なのか作り上げていく。 

 

 

 

 

 

それでは、綿矢りささんのオススメを紹介。大人の恋愛を描いた本。

ハートカクテルルネサンス:わたせせいぞう

 

 ■内容

2019年に画業45周年を迎えた、日本におけるカラーコミックの先駆者、わたせせいぞう。 その都会的かつ洒脱な作風は、代表作『ハートカクテル』(1983~89年)を筆頭として、今も多くの読者を魅了し続けています。またコミックでありながら一枚絵としての魅力にもあふれたわたせ氏の作品は、時代を超えて愛され続ける普遍性をそなえており、ファッション雑誌や小説の表紙、レコード/CDジャケット、企業広告やカレンダーなどに数多く使われてきました。さらに企業からの求めで描かれたタイアップ作品も少なくありません。
本書は、2018年に発表された表題作『ハートカクテル ルネサンス』を始めとする珠玉の短編作品と、企業とのタイアップで描かれた作品など、これまで一度も単行本に収録されてこなかった希少な作品群を一堂に集めてお送りするオールカラー作品集となります。旧来からのファンの方々にとっては幻の作品と再会できるまたとない機会であり、若い読者にとっては初めて観る「わたせワールド」との感動の出会いとなるでしょう。━━Amazonより

 

綿矢さん:

絵と漫画で構成されている本。色使いも綺麗なので、チョコレートと一緒に渡した時に、二人で一緒に盛り上がれるかなって。

 

別れた後の話も入っていて、でも、別れてもただ気まずいだけじゃなく、お互いちょっとだけ心が通うような合図を出し合って、そしてまた他人に戻って自分たちの街に帰っていく。ビターだけど大人の恋愛。

 

(実際に本を贈ることはありますか?)

 

綿矢さん:

本を渡すのは本当に照れる。自分が貰うと嬉しいんですけど、わたし自身が誰かに本を差し上げたことがないので、今回すごく迷った。

 

(作家さんはいろいろな場所でオススメの本を聞かれる機会が多いと思いますが、選ぶのはやっぱり難しいですか?)

 

綿矢さん:

難しいと思う反面、自分がいいなと思ったものを知ってもらえるので嬉しい。

 

村田さん:

どんなテーマでも同じ本を持って現れる。同じ本を何度も読み返すタイプなので、装丁も全部愛してしまって、悩みに悩んで、結局同じ本を持って行ったり。あらためて自分の本棚を見るいい機会にもなるので、新鮮な気分にもなります。

 

 

 

 

 

次は村田紗耶香さんのオススメ。

組曲わすれこうじ:黒田夏子

組曲 わすれこうじ

組曲 わすれこうじ

 

 

 ■内容

『abさんご』の衝撃から7年、芥川賞受賞後初となる新作小説集。節句のひながた、骰子、絵葉書、ミニチュアの動物……。手ばこにしまわれ、ひきだし家具に収められた愛おしきものたちの記憶。幼年の心に刻まれた密やかな歓びが、途切れることなく連なる言葉のリズムを得て美しく再生されてゆく。横書きの独創的文体で世を驚かせた芥川賞作家が、7年の歳月をかけて織り上げた無比の小説集。━━Amazonより

 

村田さん:

何度読み返しても言葉の美しさを発見できる。たぶん永遠に読んでいられる本なんじゃないかな。日本語の美しさにうっとりする本なんですけど、声に出すとさらに美しい本。あんまり人の本を朗読するってことはないんですけど、この本はどうしても声を出したくなって、家で声を出して読んでみた本。

 

「私とは違う声でこの美しい文章を読んでくれるかもしれない。」という下心もあって、この本を選ばせていただきました。

*********

 <感想>

どちらの本も久しぶりに拝見した作家さんの名前でした。「ハートカクテル」はその昔、とても流行った作品で、お洒落でバブリーだったなぁと。まさかその続編とも言えるものが出ていたとは!これはさっそく読んでみたい。

 

そして、黒田夏子さんの本。『abさんご』がとても難解だったので、その後の作品は読んでいませんでしたが、本日紹介された本はまたちょっと違うのかな。とにかく美しい文章とのこと。どんなでしょう。

 

バレンタインにチョコと本をプレゼント。本当に良い組合わせですよねぇ。選ぶのもまた楽しい。今年はステイホームでいつものバレンタインとはいかないかもしれませんが、チョコくらいは美味しいモノを食べたいですね。

それではまた来週!

 

過去のテレビ棚一覧は、こちらからどうぞ!