王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年2月13日分はこちら!!
今週の特集は「日常を綴った日記エッセイ&恋愛小説!」を紹介!
中谷美紀さん、松井玲奈さんが登場です。
オーストリア滞在記:中谷美紀
■内容
ドイツ人男性と結婚し、想像もしなかったオーストリアでの田舎暮らしが始まった。朝は、掃除と洗濯。午後には買い物に。当初はお肉屋さんに行くも注文が伝わらず、動物の鳴き真似をしたことも。晴れた日には、自らスコップを握り、汗だくになっての庭造り。慣れないドイツ語の学習には四苦八苦。女優・中谷美紀のかけがえのない日常を綴った日記エッセイ。━━Amazonより
まずは発売しての率直な感想を。
中谷さん:
出版される予定で書いてはいたんですけど、人様の目に触れると思うと、自分の心の裡をされしてしまったので、恥ずかしい気持ちがあります。
普段から日記をつけていらっしゃるんですか?
中谷さん:
まったく!!3日以上続いたためしがないですね。
ガーデニングについて
中谷さん:
庭師さんが居るわけでもなく、自分たちで雑草の除去から始めて、40㎏ぐらいの土を担いで(笑)せっかく田舎に滞在するのだから自分たちでものづくりしてみたいなと思って。自然と向き合っているとブヨに刺されたり、蜂に刺されたり、牛の糞を踏んでしまったりそんなことばっかりで、多少のことでは動じなくなりました。耐性が付きました。でもね、ミツバチが来るようになったんです。「うちのミツバチがそちらに行っているからよろしく」みたいな感じで。はちみつをくださったりと。
人の温かさについて
中谷さん:
オーストリアの人はどちらかと言うと日本人に近い。だからとても過ごしやすいですし、お財布を落としても必ず戻って来る。10回くらい私、お財布を落としたり、クレジットカードを機械に差し込んだまま忘れて帰って来たりしたことが何度もあるんです。けど、毎度みなさん走って届けて下さるんです。電車から降りて持ってきてくれたり。
幸せについて
自然のなかに身を置いて季節の移ろいを感じる時、あるいは雑草を抜いているだけで幸せだなぁって。実は税金が高くて、消費税も所得税も高いので日々使えるお金がすごく少ない。それでも幸せに見えるのは自然が近くにあるからなんだなぁって。
次は松井玲奈さんです。
累々:松井玲奈
■内容
本当の私は誰。
結婚、セフレ、パパ活、トラウマ……。不穏さで繋がる全5編。
たくらみに満ちた、著者の新境地。
「1 小夜」
「小夜と今年中に籍を入れたいと思う」。夕食の最中に告げられた、30歳の彼からの味気ないプロポーズ。23歳という自分の年齢が結婚に適しているのかどうか、小夜にはわからなかった。
「2 パンちゃん」
獣医の石川は、去勢手術をするたびに自分のモノが切られる夢を見る。そんなある日、友達以上恋人未満の女性とラブホテルへ行くことになり――。
「3 ユイ」
恋愛シミュレーションゲームをプレイするがごとくパパ活女子との逢瀬を繰り返す星野は、これまで出会った誰とも違う、ある女子大生と出会う。
「4 ちぃ」
美大生の彼女が、才能と人柄にのめり込んだハジメ先輩。すべてを賭けて好きになったその恋の末路は――。
「5 小夜」
誰もがうらやむ幸福な結婚式の、秘密。━━Amazonより
執筆のきっかけは?
松井さん:
一番大きなきっかけは、SNS上でパパ活をしている女の子たちのアカウントを見つけたとき。会う人によって自分の趣味嗜好や、話し方を変えているという文章を見て、人間の多面性について書けたら面白い物語が出来るかなと思ったのがきっかけです。
書いていて難しい部分はありましたか?
松井さん:
勢いで書いた文章が、後々影響を及ぼすことがとても大変でした。
「パパ活」をストレートに書くとちょっと生々しくなってしまうと思っていたので、パパ活をする側の男性にフォーカスを当てたら少し違ったものが書けるかなと。学生時代に恋愛シミュレーションゲームをめちゃくちゃやっていたので、その時のことを思い出しながら書いてとても楽しかったです。
タイトルに込められた思いは?
松井さん:
「累々」っていう言葉には重なり合うという意味合いがあって、言葉だけ聞くと「死屍累々」っていうイメージが強く、ちょっと怖いな、禍々しい感じの印象を受けるんですけれども、人が生きて行くなかで、いろんなことを経験したり、いろんな人と出会うことが重なって行って「一人の人」ができている。感じていることを表すなら「累々」って言葉が一番ピッタリだなと思ってこのタイトルにしました。
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<感想>
中谷美紀さんのエッセイ(旅行記)は、飾らず、ずっと読んでいられるなぁと思わされる心地よい文章でした。あれから随分と時間が経ちましたが、今度は結婚してオーストリアに滞在している中谷さんの日常が読めるということ、嬉しい限りです。
そして松井さん。お顔を拝見して「おぉ!」と。歌って踊っている彼女の姿を思い出し、「なんと小説も書いてしまうんだ!」と驚きました。多才だなぁ。本書は2冊目ということで、執筆活動の方も、本格的に活躍されるのでしょうね。凄いなあ。
それではまた来週!
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