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【王様のブランチ・BOOK】寺地はるなさんインタビュー<ガラスの海を渡る舟>(2021年9月11日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2021年年9月11日分はこちら!!

 

ガラスの海を渡る舟:寺地はるな

 ■内容

大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。
兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。
妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。
『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作!
相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。-━━Amazonより

 

■著者について

1977年、佐賀県生まれ。大阪府在住。2014 年、『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2020年、『夜が暗いとはかぎらない』が第33回山本周五郎賞候補作に。令和2年度「咲くやこの花賞」(文芸その他部門)受賞。2021年、『水を縫う』が第42回吉川英治文学新人賞候補作にノミネートされ、第9回河合隼雄物語賞を受賞。『大人は泣かないと思っていた』『今日のハチミツ、あしたの私』『ほたるいしマジカルランド』『声の在りか』『雨夜の星たち』など著書多数。--Amazonより

 

━━ガラスの骨壺をキーアイテムにしたのはなぜですか?

 

寺地さん:

何か物を作る人にしようと。それでまずガラスはどうだろう。ガラス工房の話にしようかなということになりました。そこから何がガラスでできていたらびっくりするだろう?っていうアイデアを出し合っていた時に、お弁当箱とかじゃない?なんて話を最初はしてて(笑)いろいろ出しているうちに、何が入っていたら一番意外か?って。骨じゃない?って。調べているうちにガラスの骨壺があることを知って、結び付けられないかなと思った。

 

(ここであらすじ紹介)

 

 

 

 

━━作品の中で特に気持ちを込めた言葉はありますか?

 

寺地さん:

「前を向かなくてもいいです」というセリフがあるんですけど、前向きな言葉で抑え込んでしまう感情がある。悲しいとか辛いとかいう気持ちは、マイナスな感情かもしれないけど、でも大事なものなので、抑え込まず向き合う時間が凄く大事。そういう意味でのセリフなんですけど、すごく書きたかったことです。

 

悩みを抱える人たちにやさしく寄り添う物語です。

 

 <感想>

その昔、なんでもポジティブに考えようという傾向が強かったけど、最近は「前向き」ばかりだと疲れちゃうみたいな流れになってきたような気がします。本日寺地さんがおっしゃっていたように、マイナスな感情に向き合うことも大切だということも最近よく聞きますし、そういった小説も多い気がします。「前向き」に疲れたときにこの作品を読むと共感できるものがあるんじゃないかな。

それではまた来週!

 

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