王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2021年年9月25日分はこちら!!
おまえなんかに会いたくない:乾ルカ
■内容
北海道道立白麗高校・第二十七期卒業生3年6組の元クラスメートたちに、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて同窓会を開催するはがきが届いた。同窓会SNSも立ち上がり、10年前の高校生活を懐かしみながら盛り上がていく彼ら。しかし、ある日、「岸本李矢という子を覚えていますか」という書き込みが……。爆弾ともいえる書き込みに、ある事実が明らかになっていく。それぞれの思いで苦悩する登場人物たち。新型感染症で変わっていく世界の中、同窓会は近づいていた……。高校時代の「いじめ」に対して、関わった人々の心の移ろいと葛藤を描いたリアルな青春群像劇。━━Amazonより
■著者について
1970年北海道生まれ。2006年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。10年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ! 』『わたしの忘れ物』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆した。近著に『明日の僕に風が吹く』『龍神の子どもたち』がある。-Amazonより
乾さん:
私自身のすごくみっともない過去を、一番掘り起こしてさらけ出した作品になったんじゃないかなって思うんですね。
(ここであらすじ紹介)
━━いろんな人に感情移入して、あの人の気持ちも、この人の気持ちも分かる。
それぞれの人の承認欲求が垣間見れるなって。
乾さん:
承認欲求はテーマのひとつ、書きたいもののひとつであったので、一見、友達付き合いしているようで、どこか自分を確立するためにこっそり内側でマウントを取ったり、年代ならではのひりついた感覚が表現できたらいいなって思って書きましたね。
━━本作に込めた思いとは?
乾さん:
この小説を読んだ方が、どのような10代を過ごしていたか、どのような方が周りにいたか、集団において自分がどのようなポジションにいたか、それによって過去の自分を再発見する読書にしてほしいなって。
かつての自分を再発見できる青春小説です。
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<感想>
タイムカプセルは過去の自分たちから、今の自分たちへの伝言のようなもの。たいていはちょっと笑えちゃうものが詰まっているものだけど、そうじゃないものも中にはある。本書では自分がいじめられた人の名前を書いた生徒がいたという。なるほど、これはちょっとリアルでも起こり得るんじゃないかとゾクゾクします。リアル10代、そして青春が終わっている人もいろいろ考えさせられる1冊のようですね。
それではまた来週!
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