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【王様のブランチ・BOOK】町田そのこさん新刊インタビュー<星を掬う>(2021年10月30日 )

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2021年年10月30日分はこちら!!

星を掬う:町田そのこ

 

 

 ■内容

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。
小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。その後、私は、母に捨てられた――。
ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。━━Amazonより

 

■著者について

1980(昭和55)年生れ。福岡県在住。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞し『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した。-新潮社著者プロフィールより

 

━━読み終えてまっさきに母に連絡しました。

 

町田さん:

嬉しいです。家族や娘さんに連絡してみよう、何か声をかけてみよう...だといいなぁと思いました。

 

自分の人生に責任と覚悟を持つことが大事だと思う。覚悟も責任もなく、お母さんのせい、お父さんのせいって言っているうちは楽じゃないですか。わたしに責任がないからと言えちゃうと、人に責任をなすりつけながら楽に生きることが出来る。わたしもそういう時期があった。「自分の人生に責任を持つ」ってことの気づきの物語なのかなって思います。

 

 

 

━━早く警察につきだせばいいのに、早く離れて.....思ったんですけれども。

 

町田さん:

彼女の自己肯定感の低さとか、彼女自身が自分の価値を貶めていた。貶めて貶めて地の果てまで来ていた女性を書きたかった。そこから彼女が自分の足で立ち上がり、もがきながら一歩を踏み出す瞬間までを書きたかった。

 

━━千鶴の母への思いもすごく複雑ですよね。

 

町田さん:

憎んでいる気持ちと、愛されたい、愛したい、受け入れてほしい気持ちのバランス。距離感って本当に分からない。それは常に決まった距離感ではなく、お互いが弱っているときとか、いろいろその都度変わるじゃないですか。千鶴も「お母さん」って声をかけたらいいのになとか、すごく葛藤して、いつ彼女は素直になるんだって思って書いていました。

 

過去をどう受け止め歩みを進めていくのか、そんなヒントが詰まった感動作です。。

 

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 <感想>

インタビュアーの女性は本の内容を語りながら大泣きしていました。おそらく読後数日は経っているのだと思いますが、内容を思い出して泣くくらいだから、相当心が揺り動かされる作品だったのでしょう。親子関係が上手くいっていない人や、親に素直になれない大人たちに特におすすめの本だと感じました。町田そのこさん、今後も楽しみな作家さんです。

それではまた来週!

 

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