えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【ラジオ】<中瀬ゆかりのブックソムリエ>黙約のメス:本城雅人 2021年11月18日放送 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2021年11月18日放送分

 

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。

 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

 

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?

早速見て行きましょう。 

黙約のメス:本城雅人

 

■内容

コロナ禍を経験した我々の「死生観」が問われる、すべての日本人必読の本格医療小説、堂々誕生。
「脳死」。この言葉に日本人は何を感じているのでしょうか。仮に本人が臓器提供を意思表示しても、心臓が止まるまで家族が延命治療を望むケースの多い日本では、脳死が死であるという考え方になかなかなじめず、「治る可能性があるかもしれないのに、それを捨てて他の人に臓器を移植することは、患者本人を見殺しにする」という考えにとらわれているのかもしれません。そもそも銃社会である米国に比べて脳死ドナーの出る数も少なく、さらにキリスト教圏とは死生観も異なります。こういう背景で、問われる生体肝移植か脳死肝移植かという選択――。そのどちらを選ぶべきかという「日本人の死生観」を問う内容に加え、研修医が医療ミスの責任をとらされる医療界の現実や、看護師たちの怒り、病院に蔓延る権力闘争、法案成立にしがみつく厚労技官の様、病院経営に隠されたお金の流れと海外や政治家との癒着など、現代日本の医療界の問題点に切り込む内容になっています。--Amazonより

 

 

以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。

 

・著者は非常に幅広いジャンルを書いていて、引き出しの多い方。医療小説は初。

令和版「白い巨塔」と言われている。

日本人の死生観を問われる作品。「脳死」をどう捉えるか。

・現場の空気感がよく描かれていて、大変入り込みやすい

・今の日本の医療界の問題点にズバズバと斬り込んでいく内容になっている。

8章8視点、様々な視点から主人公・鬼塚のことが語られ、徐々に鬼塚という人物が炙りだされてくる。ミステリータッチもあり、ドキドキして作品を愉しめる。

ジャーナリスティックな視点も楽しめるし、人間ドラマとしてもよく書かれている。

映像化してほしい作品

 

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<感想>

本当、現在人気になるドラマは医療ものが多いですよね。この作品も映像化したら、間違いなくヒットしそうな感じがします。昭和の「白い巨塔」と肩を並べるものになるか?映像化される前に、先取りして読んでおきたい一冊です。

 

★過去のラジオ棚はこちらです。

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。

ではまた!