えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・BOOK】第166回芥川賞・直木賞/砂川文次/今村翔吾/米澤穂信さんのインタビュー(2022年1月22日 )

 

 

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2022年年1月22日分はこちら!!

 今回は第166回芥川賞・直木賞の受賞者の会見コメント及びインタビューです。

 

 

まずは芥川賞を受賞した砂川さん。

ブラックボックス:砂川文次

 ■内容

ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。
自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。
自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。(本書より)気鋭の実力派作家、新境地の傑作。━━講談社HPより

■著者について

1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。他の著書に『戦場のレビヤタン』『臆病な都市』『小隊』がある。━講談社HPより

(記者会見時のご発言)

 砂川さん:

最初の着想は、自分の好きなものをとりあえず詰め込もうってことで、自転車が好きだったんで、それを題材にしてってところから入りました。

 

 

 

続いて芥川賞受賞の今村翔吾さん。

塞王の楯:今村翔吾

 ■内容

どんな攻めをも、はね返す石垣。どんな守りをも、打ち破る鉄砲。
「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!--Amazonより

■著者について

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビューし、同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。2018年「童神」(刊行時『童の神』に改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞、同作は第160回直木賞候補となった。『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。2020年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞、第163回直木賞候補となった。2021年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。他の文庫書き下ろしシリーズに「くらまし屋稼業」がある。--Amazonより

 今村さん:

なんでここまで人は争うんだろう。と言うのが僕のテーマで出発点なんですよ。争ってきた歴史があるということは、戦いをおわらせてきた歴史もある。なぜ人は争いを始めて終わらせることが出来たのか、描くことによって人と言うものに迫りたいっていうのが、今回の挑戦だったかもしれないですね。

―――匡介と彦九郎の正義がぶつかり合ってどっちが悪いわけでもない。時代がそうさせるやるせなさを感じたんですけど。

今村さん:

実は二人はそんな違うことを言っていない。このすれ違いは、僕たち現代の人間にも往々にしてあることだから、なにかそれを考えるきっかけになるシーンが書けたのかなぁと思います。

 

 

続いて直木賞受賞の米澤穂信さん。

黒牢城:米澤穂信

 

 ■内容

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。--Amazonより

■著者について

1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。『満願』は同年の年間ミステリランキングで三冠をとるなど、話題を呼んだ。近著に『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『Iの悲劇』『本と鍵の季節』『巴里マカロンの謎』などがある。--Amazonより

米澤さん:

特別なことをして書いたつもりはなく、これまで書いてきたものをそのまま出した。そうい意味では「黒牢城」は勝負作というより集大成だと思います。果たして語尾は「ござる」でいいんだろうか?と思って書き始めたころから比べると、随分、遠くに来てしまった小説だと思います。

―――官兵衛と村重の心理戦を描く上で心掛けたことは?

米澤さん:

閉じ込めている方と、閉じ込められている側、全然違う立場でありながら、しかし、この二人は互角だということは大事にしていました。

―――そのバランスを書くというのは難しくなかったですか?

米澤さん:

難しいというよりむしろ楽しかった。二人の心を読んで二人の会話を作り上げていくのは作家としては喜びのある作業でした。

 

 <感想>

今回は骨太なベテラン作家さんの受賞でしたね。今村さんは人力車で会見場に向かうという、心からこの受賞を愉しんでいたという印象。こうして脚光を浴びるまで今村さんのバックグラウンドを知りませんでしたが、本屋さんを経営していたりと、本当に本が好きな方なんだろうなぁと思います。受賞されたお三方には、これからも益々のご活躍をお祈りしております。おめでとうございます!