えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・BOOK】<対談企画>花恋が恋した村田作品:村田紗耶香(2022年1月29日 )

 

 

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 2022年1月29日はこちら!!

 

殺人出産:村田紗耶香

* 内容紹介

村田沙耶香 最大の衝撃作はコレだ!
10人産んだら、1人殺せる。「殺意」が命を産み出す衝動となる。
今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」によって人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日突然変化する。表題作、他三篇。(Amazonより)

対談風景①

━━初めてわたしがこの本を読んだのは高校生の時で、衝撃的で、自分の見ている世界とピントが合わなくなるくらい、自分の信じていたことをガツンと殴られたような強烈な一冊でした。

信じられない設定だったはずなのに、読み終わるころには自分もこの世界の住人として、こういう世の中のほうが正しいのかもしれないって、ちょっとだけ思ってしまって。この設定が思い浮かんだ背景は?

村田さん:

いつも想像していることなんですけど、人間をどうやって繁殖させるのか、例えば、人間を100人くらい与えられて、1000年くらい絶滅しないようにしてくださいって言われたときに、今は家族システムとか恋愛システムがわりとメインなのかって思うんですけど、そうじゃない仕組みで人間が繁殖していくことを想像することがあって。それで今回は、殺意を持った人がそれをエネルギーに子どもを産む世界を想像して書きました。

 

―――そうやって村田さんが普段から考えられていることが物語になって私たちに届くのがすごくうれしくてずっと読んでいたいんですけど、それの答え合わせができるのが、今回の「となりの脳世界」と「私が食べた本」なのかなと。すごくすごく楽しく読ませていただきました。

 

 

 

私が食べた本:村田紗耶香

私が食べた本

私が食べた本

Amazon
*内容紹介

デビューから現在まで各紙誌に書いてきた書評や文庫の解説を一冊にまとめた決定版。幼い頃好きだった本や小説を書くきっかけになった本、尊敬する作家の大切な作品について丁寧に書く。(Amazonより)

 

★書評書きました➡こちらからどうぞ!

 

となりの脳世界:村田紗耶香

*内容紹介

デビューから現在まで各紙誌に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、今まで気づかなかった勘違いに、コンビニバイトのこと。解説は矢部太郎が漫画で描く。(Amazonより)

*対談風景②

―――好きなページに付箋を貼っていたら、いっぱいになってしまって。いくつか選抜して。「こそそめスープ」の話、好きでした。

村田さん:

くだらない勘違いとか、コンソメスープをコソソメスープだと思っていて....。そのエッセイを読んだ編集者さんが、何日もかけて「これこそ、こそそめスープだというスープを作ります!」とおっしゃってくださって。すごくおいしくて「これはこそそめスープですね!」って言いながらみんなでスープを飲んだ。そのことも含めて思い出深い、書いて良かったなっていうエッセイです。

*著者について

1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部卒業。2003年「授乳」が第46回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。09年『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞(Amazonより)

*感想

小説の内容と書く人とのギャップがこれほど大きな作家さんも居ないのではないと思わされる村田紗耶香さん。淡々と静かにお話されているので一見普通に見えるけれども、内容はある意味とても強烈で「ほほほぅ......」となる。そんな村田さんの日常はどんな感じなのだろうか、エッセイを読んでみたくなりました。

それにしても今回インタビューされていた花恋さん、本当に村田さんの作品が大好きなんだなぁ。前回もそう思ったのですが、今回も目をキラキラさせながら話していたのが印象的でした。いいですねぇ、こういうシーン♡

それでは、また来週!

 

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