王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2022年7月9日こちら!!
■あさとほ:新名智
■内容
「わたしの周りでは、よく人がいなくなるらしい」幼い頃、夏日(なつひ)の目の前で双子の妹・青葉(あおば)は「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れ、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染の明人(あきと)だけだった。青葉を忘れられないまま大学生になった夏日は、研究室の教授が失踪したとの報せを受ける。先生は、平安時代に存在したがその後失われてしまった「あさとほ」という物語を調べていたらしい。先生の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査を始めるが――。二人が「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、現実は大きくその姿を変える。(Amazonより)
■著者について
1992年生まれ。長野県上伊那郡辰野町出身。2021年『虚魚』で第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>を受賞し、デビュー。(Amazonより)
■インタビュー
―――テレビは初出演、今、どんなお気持ちですか?
新名さん:
全身ガガチガチで...。なんか自分はテレビに出る人間だと思っていなかったので、すごく緊張しています。
―――第三者や別の対象を怖がるのがホラーだと思っていたんですけど、自分の存在が怖くなるのが一番恐ろしいんだなって思いました。
新名さん:
そうですね、僕もそれが一番怖いと思う。
―――執筆にあたり、インスピレーションを受けた意外なものとは?
新名さん:
僕はドラエモンがすごく好きで、ドラえもんの秘密道具に「どくさいスイッチ」というのがある。例えば「スネ夫消えろ」というとスネ夫が消える。ただ消えるのではなく、最初からいなかったことになる。人が消えるときに、その人が消えておしまいではなく、それによって周りの人間が変わっていく。自分の暮らしが急にかわってしまう。自分が間違っているのか、それとも違う世界に来てしまったのか。なんかそういう怖さが出せればいいかなと。
―――最初は「あさとほ」が、怖くて気持ち悪いと思った。どこかちょっと「あさとほ」の存在に救われるような、救いの作品だなぁと思いました。
新名さん:
人間って物語を作って生きている。嫌なことがあっても、あとでこの経験が役に立つかもしれない。なんかそうやってよくしてしまえるのが人間だと思う。そういう意味で物語は人間に必要なのかなって思います。
*予想外の結末に心揺さぶられる、全く新たなホラーミステリーです。
■感想
本作のように意味不明なタイトルにたまに出合いますが、得体が知れず、余計に興味をそそられてしまうことが多い。「あさとほ」もタイトルだけでは「???」ですよねぇ。一体なんなんだろう?著名な作家さんたちも注目されているようですよ。そろそろホラーを読むのにぴったりな季節。装丁もひんやり雰囲気ですね。
それでは、また来週!
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