王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
2022年11月5日こちら!!
■栞と嘘の季節:米澤穂信
■内容
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか......。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!(GoogleBooksより)
■著者について
1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。(Amazonより)
■インタビュー
―――受賞後初の作品ですが、プレッシャーなどは?
米澤さん:
一回一回、綱渡りですから、前回が渡れたからって、今回上手く渡れるわけではない。いつもと同じ緊張感がありました。
―――私も一緒になって栞の持ち主を探している感覚になってすごく面白かった。事件が起きるまでの過程を描こうと思ったのは、どういうところからですか?
米澤さん:
ハードボイルドや、アメリカの警察小説ですね、はじまりはごく小さな事件なんだけれども、捜査を進めていくにしたがってどんどん事件の様子が変化していくのが私、大好きで、それを今回自分でも出来ないかと思ったものですから。入り口からはじまっていく事件のダイナミズムをお楽しみいただけたということは、あー書いて良かったなぁとすごく嬉しく思っています。
―――三人が嘘をついているし、嘘を感じているじゃないですか。だけど、協力関係を続けていくという。三人の関係性を書く上で意識したことは?
米澤さん:
嘘があることを前提とするし、その嘘を許し合えるような関係、この微妙なラインを成立出来ないかと思って、言葉遣い、関係性を気をつけていた。
―――三人を見ていると嘘=悪い人じゃないなって感じていました。
米澤さん:
最初からなにもかも本音で話し合っていけば、もっとスムーズに事件が解決したかもしれない。でも、言えない、それを言ってしまったら自分の心から血が出るって思いがある。あるいは、他の誰かを守らなければいけないから嘘をつくしかない。そうするしかなかった嘘の積み重ねが本作で描けていればいいなって。
*嘘の奥に秘められた真実に心揺さぶられる一冊です。
■感想
前作を読んでいなくても楽しめる内容だそうです。ちなみに前作はこちらです。
本作は「嘘」が鍵になっていくような感じでしょうか。秋の夜長にじっくり読みたい青春ミステリー小説ですね!それでは、また来週!
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■本日取り上げられた書籍 の一部
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