えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

<中瀬ゆかりのブックソムリエ2022>天路の旅人:沢木耕太郎<12月15日放送> 

 

ニッポン放送あなたとハッピー!2022年12月15日放送分

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!

毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 

 

 

天路の旅人:沢木耕太郎

 

■内容

「この稀有な旅人のことを、どうしても書きたい」。「旅」の真髄に迫る、九年ぶりの大型ノンフィクション。
第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを止められなかった。その果てしない旅と人生を、彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。著者史上最長にして、新たな「旅文学」の金字塔。
(Amazonより)

 

 

 

■放送内容

以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。

・男性編集者にも抜群の人気がある沢木さん。本をあまり読まない人も沢木さんは別格と言う声を聞く。垣花さんも一番好きな作家とのこと。

9年ぶりの長編。「キャパの十字架」以来。

原稿930枚。沢木作品の中でも最長

・沢木さんが四半世紀追っていた旅人・西川一三氏。第二次世界大戦の末期に日本のスパイとして中国大陸に潜入し、終戦後はインドやネパールなど足掛け8年の旅をする。

こんな旅があるのかと思う。生きるとは何かとか、日常の営みが毎日精一杯、そういうことの大切さを噛みしめさせられた。

・西川氏には「秘境西域八年の潜行」という先行書物がある

・敢えて沢木さんはこの稀有な旅人を描きたかったそう。

・初めて西川さんと沢木さんが対面したときから時間の換算をすると25年

沢木耕太郎がそこまで惚れ込んだ西川一三とは?

・読み急いで欲しくない。旅も全然急いでいない。本の中もゆっくりした時間が流れている。読み飛ばし、速読には向いていない。じわじわ1日数ページでもいいから、旅を一緒にするくらいの速度で味わい尽くして読んでもらいたい、そういう本です。

 

■西川氏の本はこちら。上下巻のようです。

■著者について

1947(昭和22)年、東京生れ。横浜国大卒業。ほどなくルポライターとして出発し、鮮烈な感性と斬新な文体で注目を集める。『若き実力者たち』『敗れざる者たち』等を発表した後、1979年、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年には『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。常にノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995(平成7)年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2002年から2004年にかけて、それまでのノンフィクション分野の仕事の集大成『沢木耕太郎ノンフィクション』が刊行され、2005年にはフィクション/ノンフィクションの垣根を超えたとも言うべき登山の極限状態を描いた『凍』を発表、大きな話題を呼んだ。(Amazonより)

■感想

わーわー、年末に沢木さんの長編来ましたね!!これは読みたい。「深夜特急」とはまったく違う読み心地のようです。話を聞けば聞くほど旅人である沢木さんがそこまで惚れ込んだ西川氏のことを知りたくなりました。25年の月日をかけてって凄いなぁ。本書はじっくりお正月休みに読むのにぴったりの大作ですね。いざ、旅へ!

それでは、また来週!

 

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中瀬さんはこちらの番組でもエンタメ番付のコーナーをお持ちです。姉妹サイトうずまきぐ~るぐるで紹介してますので、合わせてお楽しみください。