王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
王様のブランチで取り上げた、話題の作品と著者のインタビューをまとめて掲載しています。2023年2月11日放送分はこちら!!
■大谷朝子『がらんどう』
■内容
「ルームシェアっていうの、やらない? もっと広い部屋に住めるし、生活費も節約できるし、家事も分担できるよ」「若い人たち同士ならわかるけど……本気なの?」「四十過ぎた女二人が同居しちゃいけないって法律はないよ」「でも、普通はしないよ」
人生で一度も恋愛感情を抱いたことがない平井と、副業として3Dプリンターで死んだ犬のフィギュアを作り続ける菅沼。二人組アイドルグループ「KI Dash」の推し活で繋がった二人のコロナ禍での共同生活は、心地よく淡々と過ぎていくが――恋愛、結婚、出産、家族……どんな型にもうまくはまれない、でも、特別じゃない。《今》を生きるすべての人へ、さまざまな属性を越えて響く“わたしたち”の物語。(Amazonより)
■著者について
1990年千葉県生まれ。2022年、本作で第46回すばる文学賞を受賞。(Amazonより)
■インタビュー
―――(すばる文学賞)受賞の知らせを受けた時の心境は?
大谷さん:
絶対に落ちていると思った。ダメだった時の受け答えを準備していた。「受賞しました」って聞いた時、そのパターンはなかったので、何も言葉が出なかった。
―――こんなに共感する部分が多い作品があるのかと言うくらいグサッときて、感想を言い合いたいと思いました。
大谷さん:
今の時代に女性として生きている私たちにしか分からないような辛さとかしんどさがあるんじゃないかなって思ったんですね。
すごくセンシティブな話になっちゃうんですけど、「諦めるタイミング」って言うのがあるのかなと。それが早すぎても遅すぎても後悔に繋がったり、辛くなったりしてしまう。
―――なんかも...分かる~~~!!「自分の諦め時」この間に揺れる女性って多いと思う。
大谷さん:
選択肢が広がっている今の時代だからこそ、いつ決めるかタイミングがすごく難しい。
―――「普通」ってそもそも何だろう?っていうことを、改めて考えた。
大谷さん:
ルームシェアを含めてこいう選択をしたら、こういう風に言われちゃうなど、考えるだけでちょっとぐったり。小説には普通に当てはまることだけを、考えすぎない方がいいんじゃないかなっていう思いも含めてはいるんですけど、一方で、普通から少しでも外れることは、すごく大変なこと。
諦めるとか、諦めないとか、どれを選ぶかと言うよりは、自分自身でどれを決めるかということに意味を持たせたかった。ちょっとだけ、救いが滲ませられるラストにしたいなと思いました。
*恋愛、結婚、出産、どんな型にも上手くはまれずいた平井が踏み出した意外な一歩とは?
■ランキングで話題になった本
桐野夏生さんの最新刊!!バブル時代を生きた二人の女性を描く。
詩集
■ひとこと
独身女性が最高に共感できる内容の小説かも!って思いました。結局は自分で選んだ道が一番なんだけど、年齢的なリミットなどを考えると、なかなか一筋縄ではいかず悩みは絶えない。この年代のルームシェアってどうなるんでしょうね。ラストも含めそのあたりも気になります。それでは、また来週!
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