本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
本日の王様のブランチ(2023年3月4日放送分)で、おすすめされた話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。
■川上未映子さん:『黄色い家』
■内容
十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。(Amazonより)
■著者について
大阪府生まれ。2008年『乳と卵』で芥川龍之介賞、09年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞、10年『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞および紫式部文学賞、13年、詩集『水瓶』で高見順賞、同年『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、16年『あこがれ』で渡辺淳一文学賞、19年『夏物語』で毎日出版文化賞を受賞。他の著書に『春のこわいもの』など。『夏物語』は40カ国以上で刊行が進み、『ヘヴン』の英訳は22年ブッカー国際賞の最終候補に選出された。23年2月、『すべて真夜中の恋人たち』が「全米批評家協会賞」最終候補にノミネート。(Amazonより)
■インタビュー
―――「黄色い家」と言うタイトルで、今回、黄色がキーワードですよね。
川上さん:
黄色ってね、すごくいろんな象徴的な色なんですよね。危険を知らせる色であったり、翻訳されるときにも、イエローってすごくいろんな意味があって。風水では金運なんですよね。「黄色い家」というタイトルが見えた時に、これ、いけるんじゃないかと思った。
―――悪いのは解っているけど、悪いって言い切りたくない。花ちゃんに感情移入しすぎて、思い出すだけで瞼が熱くなる。花ちゃんの人生にすごく胸が苦しくなりました。
川上さん:
ほんと、そんな風に読んでくれてありがとう。嬉しい!
人間って自分の記憶とか全部は覚えてられないし、都合が悪かったり、思い出したくないことに蓋をする。あの時本当はどうだったのかな?自分が体験したことでも定かではなくなっていく。思わぬ過去の出来事がパッと降りかかって来る。そういう流れが、この数年すごく社会の側にある。そういうのに影響されていると思いますね。
―――花ちゃんって本当に一生懸命で、みんなのことを思ってやってるからこそ空回りしている感じがすごく悲しくて。
川上さん:
そうなんですよね。ここにある毎日を続けていこうと思うだけで、真面目だからこそ、どんどん道がそれていってしまう。まともであろうと思えば思うほど、そっちに行ってしまう。
不幸だったのか、幸せだったのかという判断ではなくて、青春小説になるといいなという気持ちもあった。みんなにいろんな青春があるけど、花の青春はこうだった。どんな条件でも、生きるために必死なんだ。そのエネルギーを目撃できたらいいなって気持ちで書いてきました。
*もがきながら生きる花の姿を通して、善と悪の境界に迫る物語です。
■ブックランキングで話題になった本
ねこのようなようかいのような不思議な生き物。!
毎日書いているコラムやツイートから心に残る言葉を集めた人気シリーズ15作目。
■ひとこと
もどかしそうな話ですね。花ちゃんって主人公、大丈夫かしらね。黄色って色々な意味を持っているとのことだけど、「黄色い家」の黄色にはどんな意味が含まれているのかも気になります!話題作になるの間違えなし。そのうち、ドラマ化とか映画化されそうな予感。それでは、また来週!
過去のテレビ棚一覧は、こちらからどうぞ!