本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。
王様のブランチ(2023年5月6日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。
■カンヴァスの恋人たち:一色さゆり(小学館)
■内容
碧波市の美術館に勤める学芸員の貴山史絵は、80歳の女性画家、ヨシダカヲルの展覧会を担当することになる。ヨシダは美術業界から一線を退いたあと、山奥のアトリエでひとり絵を書き続けていた。担当になった史絵は、東京で働く恋人との将来や、職場での人間関係、学芸員としてのキャリアに悩んでいた。今ではほとんど無名と言っても良いヨシダの展覧会開催に疑問を抱く史絵だったが、ヨシダとの交流を重ねるうちに、その不思議な魅力と、ひとり筆をにぎりつづける生き方に魅了され、自身も次第に変わり始める。展覧会の準備に奮闘する一方で、史絵はヨシダの過去が気掛かりだった。一時は戦後の女性画家として名を上げていたにもかかわらず、なぜ表舞台から消えてしまったのか。ふたたび絵を描き始めるまでの空白の10年間に何があったのか。ふたりが心を通わせたとき、ヨシダが語るのは、秘められた愛についてだった――。(Amazonより)
■一色さゆりプロフィール
1988年、京都府生まれ。東京藝術大学芸術学科卒業後、ギャラリー勤務を経て、香港中文大学大学院美術学部在籍。大学在学中から小説の執筆を始める。経験を活かして現代アート界を舞台にした本作で第14回宝島社「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。(ダ・ヴィンチWEBより)
■インタビュー
―――生き方を選ぶのが大きなテーマだと思うのですけど、色々な選択がある今の時代だからこそ、自分がどう生きたいのか?改めて自分の心と向き合いたいと思えた。
一色さん:
女性の生き方を書いているんですけど、男性女性関わらず、あらゆる人が選択肢が増えていることから影響を受けているはず。全てを包容できるような物語にしたいなと思っていました。
選択を迫られると、「ああしなきゃよかったんじゃないか?」とか、「もっともっとうまく出来たんじゃないか?」とかの後悔がすごく大きい。美術作品を介してその問題を考えてみると、美術作品ってすぐ見てわかるものは少ない。成長するにつれ、違ったように見えて来ることがある。それは人生と同じだなって、書きながら思った。すぐに答えを 出さなくていい。
■ひとこと
アート絡みの小説とのことで、最初は原田マハさんのアート小説みたいな感じを想像しましたが、人生を描いた小説のようですね。確かに私たちは生きていく上で様々な選択を迫られ、結構な決断をしてきたんですよね。今まさにそんな方には、特にこの小説は響くのではないかと感じました。それでは、また来週!
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