王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
金子さん:
青春ってものが持っている楽しい部分、苦しい部分を全部書きたいと思った。
―――冒頭の涙と最後の涙で、全然違う涙が流れてきて、ああ、よかったなと思うラストではありましたね。
金子さん:
人が死んでいるのに、そんな楽しくしゃべれない。どうしようか考えた。死んだ後も喋り続ける設定にしたら面白いのではないかと思って。
―――それで山田がスピーカーになったんですね。
金子さん:
そうなんです。クラスメイトにはいろんな人がいるので、無邪気に山田の復活を喜ぶ子もいれば、声だけだと気持ちが悪いと違和感を感じる人も居る。いろんなことを考えながら山田と接していく。
―――いなくなってスピーカーになったことで、裏の顔が見えて来た。
金子さん:
人間はいろんなコミュニティーで、いろんな顔を使い分けている部分がある。そういった部分も途中から滲み出して、楽しいだけの物語ではないというのが出来たかなと思います。
―――途中からラストはどう終わるんだろう?って。
金子さん:
いつまでも教室にいられない、その中でずっと教室に残り続ける山田をみんながどう感じていくのか、残される山田に対して何が出来るのかを考えて、ラストを書きました。
*生きることに悩みを抱えた青春時代が蘇る一冊です。
ひとこと
最初は死んだ同級生の声がスピーカーから聴こえるなんて、怖いんですけど~って思いましたが、最後の方はなんか切ない雰囲気で、一体山田はどうなったのかなって、気になります。同級生たちの卒業とともに山田も消えてしまうのかな....。青春も同じ、何事も「永遠」はない、そんな小説なのかなと感じました。それでは、また来週。
金子玲介プロフィール
1993年神奈川県生まれ。慶応義塾大学卒業。『死んだ山田と教室』で第65回メフィスト賞受賞。(Amazonより)