えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ・作家サミット】本屋大賞作家が選ぶ「思わず涙した感動作!」(2024年8月24日 )

 

本屋大賞作家が選ぶ「思わず涙した感動作!」の紹介

王様のブランチのBOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

 今週の特集は、本屋大賞作家が選ぶ「思わず涙した感動作!」です。

瀬尾まいこさん、凪良ゆうさん、町田そのこさんが、おすすめの本を紹介してくださいます。今回は、おすすめするにあたって、ブランチ用の本の帯を書いてもらったようです。注目です!

瀬尾まいこさんのおすすめ

さぶ:山本周五郎

瀬尾さんが帯を書くとすれば....

気づかなくても、いつも誰かが見守って、あなたの扉をたたいている。

―――瀬尾さんが涙した推しのポイントは?

瀬尾さん:

全体的にじんわりくる話なんですけど、私は寄場に連れて行かれた栄二が、そこの役人から「おまえは気づかなくとも、この爽やかな風にはもくせいの香が匂っている、心をしずめて息を吸えば、おまえにもその花の香が匂うだろう」というところがあるんですけど、今まで一人でやって来たと思っていた栄二が周りの存在に気づくところが好きです。

町田さん:

私はちょっと泥臭い作品だなと思った。自分の中の汚くて弱い部分も全部認めてもらえる。最初はちょっとハードルが高いかなって思っていたんですけど、最初の数ページで絶対に折れないで欲しい。入ってしまえば、むしろ気持ちがいいんですよ。

 

凪良さん:

時代小説なんですけど、ここに描かれている心模様は現代の人と変わらず普遍的。時代小説とか現代小説とか関係ないと思います。

 

―――この本はどういう人に読んで欲しいですか?

 

瀬尾さん:

自分がひとりで頑張っていると思っている人。中学生や高校生は気づかないじゃないですか。こんなたくさん見ている人がおるのに、なんで分からへんのやろ?はたから見ていると思うので。

 

 

 

 

―――ところで、本屋大賞を受賞されてから、変化はありましたか?

 

瀬尾さん:

私は周りの人に作家だと言っていなかった。幼稚園のママ友たちがネットニュースで知って「あんたそんなんしてたん?」ざわざわざわっと(笑)

 

凪良さん:

作家ですって自ら言うのは難しい。作家と名乗っても信じてもらえない。へ~~ってぬるい目で見られる。あなたの中ではそういう設定なのねって(笑)恥ずかしくてあんまり言えない。

本屋大賞をいただいて、身内から借金を申し込まれましたね。(ドラマみたいー)まぁ、貸さなかったですけど。

 

 

 

 

凪良ゆうさんのおすすめ

落下する夕方:江國香織

凪良さんが帯を書くとすれば....

この本から「汝、星のごとく」が生まれました....。

凪良さん:

編集者と初めて「汝、星のごとく」の打ち合わせをした時に、お互い「落下する夕方」を若い時に読んでいて、ああいう物語をやりたいよねっていうところから生まれました。

人間関係の枠なんてないっていうことを教えてもらった話で、泣けるというか孤独を感じた。登場人物は誰も分かり合っていない。これは私だけの勝手な受け取りなんですが、どこまでも人生はひとりで泳いでいくものなんだ、そういう孤独が漂っている。....本当は言葉で説明したくないんです。大好きな作家さんだから、私なんかの言葉で伝えられないので...読んでください(笑)

 

瀬尾さん:

私も江國さんを夢中で読んでいたころがあって、なんかちょっとおしゃれなんですよね。さらっとお洒落。

 

町田さん:

江國さんの本を読むと打ちのめされる。私だったら野暮だから書いちゃう、もっともっと言葉を重ねて「こういう気持ちなの」って書いちゃう。江國さんは軽く突き放されている。

 

凪良さん:

書かないの。でも伝わる。

 

町田さん:

書かないからこそ、受け取る人に余地を与えてくれている。

 

 

町田そのこさんのおすすめ

聖の青春:大崎善生

町田さんが帯を書くとすれば....

命の輝きにクラクラする本。

町田さん:

私は趣味で将棋をやっているんですけど、将棋に詳しくなりたくて、たまたま取った本。だから泣けるって知らなかった。聖さんが病気なのに手術をしたその日から将棋を打ちたい、その情熱に業みたいなものを感じてしまった。生きていく上で、命より大事にしたい、命を捨ててでも成し遂げたいものがあるっていうその姿に、生まれて初めて声を上げて泣いた。いつもはじわ~って感じなんですけど、声が出ちゃって。それくらい好き。すごい泣けるんですよ。

 

凪良さん:

私は勝負にかける人の業の深さと鬼気迫る執念に着目しちゃって、ここまでして打つのかって。人間的にもとても魅力的な人。

 

町田さん:

ちょっと弱いところもやっぱりあるけど、師匠が手厚く支えて、時々喧嘩しながら、でも最後まで。人って寄り添い合って生きていくんだなぁとか。

 

―――将棋を全く知らない人も読める?

 

町田さん:

そうなんですよ。たくさんの人に読んでもらいたい。

 

町田さんの新刊も感動作だそうです!

わたしの知る花

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感想

前回も楽しかったわけですが、その続きのようですね。メンバーも同じです。やはり作家さんが影響を受けた作品というのはとても興味が湧きます。凪良さんの作品も江國さんの作品をヒントに生まれたみたいですものね。今回おすすめの本と一緒に読んでみたいな~って思いました。どの方のお話も、とても面白かったです。

それでは、また来週!

 本屋大賞作家が選ぶ「この夏読みたい!読書初心者にもおすすめの一冊」

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