王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――選考委員・米澤穂信さんが圧倒的だったという声がありましたが。
井上さん:
ありがたいを通り越して、恐れ多いくらいの気持ち。ネガティブなんですけど、自信持つべきだと思った。
―――(出版社の地下駐車場に書かれたグラフィティを見ながら)グラフィティをテーマにしたきっかけは?
井上さん:
これを書いたこいつはここにいた!と、伝わるように書いたものがグラフティだと思います。書いている人の気持ちだったりとか、見ている人の気持ちの違いを小説に出来たらなと。
井上さん:
第一部は外側からグラフィティはなんだろうと調べていく話。グラフィティっていう文化を考えるのであれば、実際に書いている人が何を思ってどう書いているか、書かないとダメだと思った。そこで第二部で主人公はこの男だなという感じで、視点人物にした。
彼らがいろんなところで落書きをするのを、グラフィティライターの青春としてキラキラしたシーンは書けたかなぁと思う。
―――すごいキラキラは感じていました。
井上さん:
対決している二人の間で、分かり合えるところと、分かり合えないところを踏まえて結末を迎えられたんじゃないかと思います。
―――ラストがバトルだったのに、ほっとする感じで終わった。なので読後が心地よかったです。
* 「俺はここにいる!」と叫ぶ声が聞こえる新世代のエンターテインメント小説です。
井上先斗プロフィール
1994年愛知県生まれ、30歳。川崎市在住。成城大学文芸学部文化史学科卒業。2024年『イッツ・ダ・ボム』で第31回松本清張賞を受賞しデビュー。敬愛する作家は伊坂幸太郎、島田荘司、松本清張、結城昌治、ドナルド・E・ウェストレイク、ローレンス・ブロック。70年代パンク・ロックが好き。(Amazonより)
ひとこと
あの街中の壁とかシャッターに書かれた謎の絵。一体、いつ、誰が、なんの目的でって思っていましたが、そこを題材にした小説が登場。興味深いものがありますね。登場人物たちの熱い叫びがすごく伝わってくるとのこと。また、一部と二部、二つの小説を読んでいるような気持ちになるそう。それでは、また来週。