王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
降田天名義は、執筆担当の鮎川颯とプロット担当の萩野瑛による作家ユニット。
荻野さん:
私たちだからこそ書けた、今だからこそ完成させられた作品になったのではないかと思います。
魅力的な女子高を舞台にしたミステリーのオファーをいただき、我々ふたりとも演劇が好きだったので(観るのが)それで、演劇学校にしようとなった。演劇をモチーフにするなら有名な戯曲を下敷きにしたいと思いまして。
マクベス夫人のキャラクターは、シェークスピアの全戯曲の中で唯一名前がないキャラクターだというエピソードがありまして、これをミステリーにしてみたいと思いました。
鮎川さん:
演劇の世界に限らず何かを目指している人は、一度は才能について考えたことがあると思う。圧倒的な才能を持つ人に対して、崇拝するみたいな気持ちを理解できるって方も多いと思う。そういう意味で、了は特殊なものではないっていう感じで書きました。
―――いなくなってしまったからこそ、より「神」感が....。
荻野さん:
そうですね。死んでしまったことでより神格化されてしまう。
クライマックスシーンは最初から決まっていた。ある人物がマクベスを演じる。あそこで彼女に最高の形でスポットライトが当たるように考えていったら、ミステリーのアイデアもどんどん湧いてきた。とにかくクライマックスが一番なによりも大事。
―――鳥肌が立ちましたもの。
鮎川さん:
嬉しいです。彼女たちに最後は温かい拍手を贈りたいと思っていたので、ラスト2ページの結末を見届けていただきたい。
* 才能に取りつかれた少女による圧巻のクライマックス!皆さんもぜひ。
ひとこと
ユニット作家さんのインタビューでした。書いた本について、二人が語るということが今までなかっただけに、なにかとても不思議な感じがしました。当然、わたしは今まで降田天さんって作家は一人で書いているとばかり思っていましたが、本当に分からないものです。二人で書くということは、打ち合せとかすごく大変そうだけど、どのくらいの時間をかけて1冊を仕上げるのだろうか?等々、聞いてみたいですねぇ。それでは、また来週。
降田天プロフィール
執筆担当の鮎川颯とプロット担当の萩野瑛による作家ユニット。少女小説作家として活躍後、2014年に「女王はかえらない」で第13回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、降田天名義でのデビュー。18年、「偽りの春」で第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。著書に、「偽りの春」が収録された『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』、『彼女はもどらない』、『すみれ屋敷の罪人』、『ネメシスⅣ』、『朝と夕の犯罪』、『さんず』、『事件は終わった』などがある。(Amazonより)
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