王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――数え歌がミステリー、最初からどんな展開なるんだろうとわくわくしていたんですけど、最後は切なくも温かい気持ちになりました。
大崎さん:
ありがとうございます。市井に生きている人たちのささやかな思いや祈りを描けたらいいなと思っているので、そこがもし書けていたのなら嬉しいです。
大崎さん:
私は横溝正史さんが好きで、学生時代にすごく読んだ。その中で一番好きな作品は「悪魔の手毬唄」。手毬唄が事件を解くカギになっている。そういう作品が書けたらいいなと思っていた。それで、数え歌、わらべ歌のような、なんてことのない言葉の連なりに実は意味が込められているっていうのが、いいんじゃないかな~と。
何度も何度も手を加えながら出来上がった話なんですけど、主人公の由佳利、彼女自身が何も分かっていないんで、読者さんも彼女と同じように段階を踏んでくれると、だんだん真相に近づける。
―――何が起きるんだろうと不安にがあるんですけれども、謎を解きたいというわくわくも....。
大崎さん:
そうなってもらえると、しめた!という感じです。
―――百年もの時を超えた人のつながり、友情、温かさも感じるラスト。
大崎さん:
昔から今まで変化していることはたくさんあって、変わっていくことでいい面もたくさんあるんですけど、変わらずに根底に流れているものが人にはある。それが自分を励ましたり支えたり、時に律してくれるっていうのが再確認できたらいいなと思いました。
* 百年の謎が解けた時、思わず胸が熱くなる物語です。
ひとこと
大崎さん、書店員さんだったのですね~。好きな作家の作品をヒントにして、別の作家が新しい作品を生む。よくあることですけど、やっぱり凄いことだなぁと感じます。
それでは、また来週。
大崎梢プロフィール
東京都生まれ。2006年『配達あかずきん』でデビュー。著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『キミは知らない』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『空色の小鳥』など、また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。(新潮社・著者プロフィールより)