王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
寺地さん:
時間を遡るのは小説ならではの楽しみ方。読み終わったときに、もう一回最初を確かめたくなるんじゃないかなと思ったんですよ。何度も読んで、楽しんでいただけたら嬉しいです。
30年という長い物語だからこそ、ドラマチックじゃない人生だからこそ伝えられるものがある。うまくいかないことを書こうと思ったんです。大体の人の人生はたぶん思い通りにはいかないものだから、そういう30年を描こうと思いました。
―――登場人物たちは、上手くできない不器用なところがあっても、とにかくひたむきに頑張る。その姿に私も失敗を恐れず進んでいけると勇気をもらいました。
寺地さん:
生きているうちに失敗したなとか、間違っていたなと思っても、ずっと後で、それが違うことにつながっていたかもしれないし、別に次につなげられなくてもいいと思います。理想の人生というのあっても、だいたいうまくいかないものですよね。だからあんまり心配しなくていいんだよって読者の方に思ってもらえたらいいです。
* 変化しながら続いていく、人と人とのつながりを描く大人の青春小説です。
寺地はるなプロフィール
1977 年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014 年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。21 年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞。23 年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9 位入賞。『わたしたちに翼はいらない』『こまどりたちが歌うなら』『いつか月夜』など著書多数。(Amazonより)
ひとこと
どんどん時代を遡っていく小説、いろいろなことが過去をみることによって明かされていく感じ、読書の醍醐味を存分に味わえますよね。読み返すのも面白いそうですよ。それでは、また来週。