王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
湊さん:
実際に介護で大変な思いをしている方が多い中で、大変な気持ちを増長させる話ではなく、前向きに捉えながら問題にぶつかっていく話にしたいと思ったので、イヤミスではないけれど、どうなるの?どうなるの?というミステリ色とか、いろんなことに挑んでいく展開にしたいなと思って本作ができました。
湊さん:
まず介護について書こうと思ったのはサイン会をしたときに、読者の方がリクエストしてくださって、「介護の話は書かれないんですか?」って。前からよく言われていて、じゃぁ書かせてもらおうと。読んでいる方が、「自分の物語だ」とか「いるいる!」「私もこんなこと考える」など思ったりするような女性を主人公ににした。
介護ってその時々のお世話ではなく、その人の人生に関わっていくことなんじゃないかなという話をミステリとして書きたかった。(親も)個人を楽しんでいた時期があるんだとか、そういうことを発見できるアイテムを出したい。そこに謎を置いたら、自分の知る以前のその人を知ることができる。
ーーーちょっとした違和感が伏線になっていて、それが全部繋がった時のあの切なさは初めてでした。
湊さん:
ありがとうございます。ミステリであり、重いテーマの介護に向き合った作品ではあるんですけれども、だけど、ワクワクする話を書こうっていう気持ちで。イヤミスが苦手な人にも読んでもらいたい。楽しんでもらえる作品になったんじゃないかなと思います。.......恥ずかしい!自分の作品を褒めるの(笑)
* 謎が一つにつながったとき、思わぬ人生ドラマが見えてくる1冊です。
湊かなえプロフィール
1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。2005年、第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選、07年、第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同じ年、第29回小説推理新人賞を「聖職者」で受賞。(Amazonより一部抜粋)
ひとこと
重いテーマだけどワクワク?ってどんな作品なんだろうと興味をそそられます。結末は「驚き」と「切なさ」ということですが、これまたどういう展開なのか興味をそそられます。ということで、読みたいです!イヤミス嫌いな方も今回はいいのではないでしょうか。それにしても、湊さん、すごく真面目に話していたかと思いきや、最後に笑わせてくれました。お茶目なかたですよね。それでは、また来週。