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【王様のブランチ】大木亜希子さんインタビュー<マイ・ディア・キッチン>(2025年2月22日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。


マイ・ディア・キッチン (文春e-book)

マイ・ディア・キッチン (文春e-book)

インタビュー

―――大木さんはSDN48のメンバーとして、かつてアイドル活動していた。

 

大木さん:

どちらかというとセンターで立っていた先輩アイドルよりも、端っこの方で踊っていたメンバーだった。

 

 

 

大木さん:

もしかしたら自分にも何かあるかもしれない。その最初の一歩の小さな光をつかめるような作品にしたかったです。

 

―――読み終わって一歩踏み出そうと思いました。

 

大木さん:

泣いていいですか?(笑)

芸能界で女優やアイドルをしているときに、モラハラのパートナーと付き合ってしまう子を何人か見ているなかで、そういう女の子が、一時的に自分を見失ってしまう姿を見ていたので、本作のキャラクターにも、そういう姿を投影させました。

 

―――モラハラ夫英治がものすごくリアルで、本当にこの人に会いたくないなって個人的には思ちゃったんですけど。

 

 

 

 

―――この3人を描く上で意識したことは?

 

大木さん:

絶対に恋愛関係に持ち込まないこと。傷ついた葉ちゃんが、立ち上がっていくときに、適切な距離感で温かく見守ってくれる人がいてくれることで、自分の力で立ち上がれるのかなと思ったので。書いているうちに何度も筆が恋愛の方向へ行たんですけど、やはりひとりの女性が立ち上がっていくことだけを意識して書きました。

 

「最初の一歩は自分で来い」というセリフがあるんですけど、これは書いていて辛いですけど、辛いところから自分の職業を得て、お金も稼げて精神的に立ち上がっていく。那津の厳しさを意識して書いた。

 

*傷ついた女性が立ち上がり、一歩前に進んでいくまでを描いた物語です。

大木亜希子プロフィール

作家。2019年、私小説『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』が話題となり、21年に漫画化、23年に映画化。22年、短篇集『シナプス』を刊行。

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ひとこと

ちょっとつらそうな物語のようですが、料理もたくさん出てくるようで、これが香りを感じるほどすごくおいしそうなんですって。おなかも空くそうですよ(笑)

それでは、また来週。