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【王様のブランチ】早見和真さんインタビュー<問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい>(2025年3月8日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

 

 

問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい

問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい

インタビュー

 

早見さん:

僕自身も中学受験を経験しているんですよ。自分が大人になり結婚し、娘ができて彼女も中学受験をすることになったときに、なんか面白かった。父親として立ち会うのが。初めて父と娘の間に物語が生まれる瞬間が家族の中であって、この感じが書けたらいいなというのがありました。

 

―――子ども目線と親目線での受験に対する気持ちがぶつかり合っているのが、本当にグッときました。

 

早見さん:

それは本当に嬉しいです。ありがとうございます。

 

 

 

 

―――家族の幸せの形が問われていますが、そこに狙いはあったりしますか?

 

早見さん:

僕は割となんですけど、中学受験で自分の作品が使われがちなんですよ。毎年(受験後)ここで使われたと送られてくる。一応解いてみるんですけど、まぁまぁ解けないんですよ。「この時の小説家の気持ちを答えなさい」だったら、答えは僕にしか本来できない。じゃ、国語で問うてくる家族の幸せを答えないという壮大な問いに対して、小学校6年生の女の子は1年間かけてどう答えるのかな?と思って付けました。

 

早見さん:

怒られることを覚悟して言いますが、僕と娘、仲がいいのですよ。それでも妻と娘の関係性より、本当に薄い皮が一枚挟まっている感じがする。多分、彼女も感じている。その薄皮を取り払わざるを得なかった瞬間があったとしたら、中学受験という共通の敵が現れた時に、皮を挟んでいる場合じゃないと思った瞬間があった。あの家族にならざるを得い瞬間を書きたかった。

 

―――まさに父と娘の熱い気持ちのぶつかり合い、そしてひとつになっていく瞬間は、すごいドキドキしました。

 

* 中学受験を通し家族の成長を描いた感動作です。

 

早見和真プロフィール

2008(平成20)年『ひゃくはち』でデビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞受賞。2020(令和2)年『店長がバカすぎて』で本屋大賞ノミネート。同年『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞を受賞した。(新潮社・著者プロフィールより)

ひとこと

受験で自分の作品が使われる.....という話は興味深く拝聴しました。自分の書いた文章のテストが解けないというのも、なかなかもどかしいですよねぇ~。インタビューされた方が今回初めてだったよう。「厳しめに行きます!」と最初に言った早見さん。最後にはちゃんと褒めることを忘れない、学校の先生のような雰囲気でした(笑)娘さんと仲良しなのも納得です。それでは、また来週。