王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
瀬尾さん:
娘と密接に過ごした幼稚園時代や、今の娘とのやり取りも含めながら書いていて、ほとんど会話は実際娘が言っていた言葉。いろんな自分の中のものが詰まった一冊です。
―――これは読むしかないですね。
瀬尾さん:
私はシングルマザーではないですけど、娘とべったりいた幼稚園の頃ってすごくしんどかった。そこにひとり人が入ってくるだけで、すごく風通しがよくなって気が楽になったりするなぁって思って。子どもって親だけが育てるわけじゃないなっていうのはずっと感じている。子どもがいることによって自分の世界も広がるということを実生活では感じた。
―――すごく実体験をもとに書いているんですね。
瀬尾さん:
親になったら必ず子どもを愛せるわけではないじゃないですか。子どもを自然に愛せることはすごく幸せなことだと思うし、いろんな感じの親子がいて。だけど子どもを好きだろうと苦手だろうとどっちでもいい。でも未来の塊であることは紛れもない事実だと思う。なので子育てしんどいなとか、子どもつらいなと思っている人が元気になるような作品になればいいなと思います。
私パニック障害なんですけど、最初に発作を起こして倒れた時に、娘が泣きながらも、ずっとほっぺを指で押さえて「ママ、私が笑ったら元気になるっていつも言っているじゃない」って泣きながら必死に笑顔を作ろうとしてて、話の中にも書いたんですけど、子どもって親を強くしてくれることがたくさんある。子どもも周りの人のために何かをしたい気持ちがすごくあるんだなぁって感じたので書きました。
* 母と娘の成長を通して家族の愛を描いた物語です。
瀬尾まいこプロフィール
一九七四年大阪府生まれ。二〇〇一年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年作家デビュー。二〇〇五年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、二〇〇九年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、二〇一九年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。二〇二〇年刊行の『夜明けのすべて』は映画化され、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されたほか、数々の映画賞を受賞するなど、大きな話題となった。(Amazonより)
ひとこと
瀬尾さんご自身の娘さんとの会話を書いているってすごいですよねぇ。瀬尾さんが発作を起こした時の実際の娘さんの言葉、うぅう、、泣けます。小さい子なりに何か自分にできることしようとするその健気さは何ものにも代えがたいですよね。宝物になるような会話がたくさん出て来るんじゃないかな。それでは、また来週。
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