王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
結城さん:
今日この瞬間に100年後に世界が滅びますと言われても、僕らの日常は変わらず続くじゃないですか。学校もあるし、会社もある。でもふとした瞬間に、この世界は100年後に終わっちゃうとよぎる瞬間が誰しもある。その時に普段とちょっと違う行動に出るとか...みたいなちょっとしたズレや齟齬が生じる。そこから広がるものは人間模様であり、人間ドラマだとうという考えで書いていた。
―――読み終えた時に、未来が開けた気がして、読みごたえがある作品でした。
―――展開する上で、特に大事にされたポイントは?
結城さん:
語り手の私が誰なのか?というところを読者に悟られないというのが一番のポイントでしたね。一番の謎はやっぱりなぜあと1日服役していれば外に出られたのに脱走をしたのか?それとは別に、そもそもお前は誰やねん?っていうのがあるはずで、そのためのヒントも随所にちりばめてある。それが最後に明かされる。そこに驚きを味わっていただきたいポイントなんですけど、まぁこれを言っちゃうと、そういう目でみなさん読まれてしまうので、ぜひ忘れてください(笑)
結城さん:
逃げるな戦えとかよく言われるけど、本当にそれだけでいいのかなと。逃げ続ける戦い方もありじゃないかとか、結構普段から思っている。だからこそ逃亡犯の話に落ち着いた。なぜ逃げ続けるのか?それが逃げ続けるという戦いだったみたいな形がきれいだなと。
* 人々の思いが世界に希望を灯していく連作短編集です。
結城真一郎プロフィール
1991(平成3)年、神奈川県生れ。東京大学法学部卒業。2018年、『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞してデビュー。2021(令和3)年、「#拡散希望」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞、同短編を収録した『#真相をお話しします』で、2023年本屋大賞ノミネート。その他の著書に『プロジェクト・インソムニア』『救国ゲーム』などがある。(Amazonより)
ひとこと
結城さんは今、作品を出せば話題になるノリノリの作家さんですよね。そんな結城さんの新刊。これまたすごい設定ですね。100年後.....これから寿命もさらに長くなった場合、今の10代の人とかは意外に経験しちゃうかもですね?タイトルの「どうせ世界は終わるけど」自分はそうなったとき、どんな生き方をするのか?やはり自分はもういないと考えるけど、残りの人生の景色の見え方が変わる気がします。それでは、また来週。