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【王様のブランチ】小倉千明さんインタビュー<嘘つきたちへ>(2025年6月7日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

 

嘘つきたちへ (ミステリ・フロンティア)

嘘つきたちへ (ミステリ・フロンティア)

 

インタビュー

 

―――予想外の展開の連続で、何かおかしいという違和感はゴロゴロと転がっているんですけど、その違和感の真相になかなかたどり着けず、ラストの1行....ゾッとしました。

 

小倉さん:

ラスト1行はこだわったので、そう言っていただいてありがたいです。

 

 

 

 

―――まさかまさかの告白でしたね。

 

小倉さん:

同窓会って一晩で開かれることが多いので、そこで「嘘」つき放題だなって。それがバレることないっていうのがミステリにしやすいんじゃないかと思って、嘘と同窓会ふたつを組み合わせました。

 

登場人物3人が翔貴を嫌っている設定は考えていたんですけど、前半ではそういうことに触れない感じでドンドン話が進んでいって、ついに翔貴のことに触れて「嫌いだった」というときは、楽しくノリノリで書いていました。ついに話が展開していくぞ!みたいな気持ちで、はい。そこからが本番だと思っていただければ。

 

全員なにかしら「隠し事」とか「嘘」がある話にしたいなと思って。

 

―――もう誰を信じたらいいんだろうって思って、すごく惑わされた。ラストにみっちゃんの秘密があばかれますけど、あそこは衝撃というか、予想もしていなかった展開で、鳥肌がゾワッと立ちました。

 

小倉さん:

幼少期の事件の真相をインパクトある形で読み手に伝えたいなと思った時に、そういう形の「嘘」が一番いいんじゃないかなと思って書きました。

 

*あの頃の思い出が嘘で覆る。注目の短編ミステリーです。

 

 

 

小倉千明プロフィール

1984年山口県生まれ。神戸大学卒。2023年、会社員として働く傍ら投じた「嘘つきたちへ」が第1回創元ミステリ短編賞を受賞(同時受賞は、水見はがね「朝からブルマンの男」)。『嘘つきたちへ』が本格的なデビューとなる。

ひとこと

小倉さん、テレビ初登場だそうです。静かな語り口調ですが、結構おっしゃることに毒っけがありそうでした(笑)内容はまったく先が読めないそうですよ~。短編集とのことですが、他のものもどんでん返しが待っているとか。それでは、また来週。