王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

インタビュー
渡辺さん:
これまでに「恋愛」をテーマにしてこなかったので、そういうテーマを自分で書けると思っていなかった。これまで以上に、いろんな人に手に取ってもらいたい気持ちが強い作品になったと思いました。
―――リアルな部分に共感することもたくさんありました。
―――美織さんが失踪したところから、急にミステリー感が出て来て、よりパージをめくる手が速くなっていきました。ミステリーという点で意識したことはどんなことでしょうか?
渡辺さん:
最初、ミステリー要素は美織さんが失踪したという事件性、だんだんそこから謎の焦点がいなくなったこと自体よりも、美織さんが本当はどういう人なんだろうというところに変わってった。
―――結構、繊細な部分じゃないですか。描かれる上で大事にしたことって?
渡辺さん:
主人公を正解にしない。主人公はマイノリティの代表ではないですし、絶対的な存在にはしないように意識して書いた。今って昔に比べると、いろんなセクシャリティについて、調べることも簡単になりましたし、知る機会が多くなって来たかなと思う。そんな中ででもやっぱりまだ自分が分からない、あらゆるセクシャリティのグレーゾーンの中で、自分がどこにいるのかも分からないし、世界の常識も分からない人も多いじゃないかなって感じた。分からなさの渦中にいる人間を主人公にしようとっていうのが、最初から思っていたところではありました。
最初はミステリー的な解決を優先させていたので、美織さんがなぜ消えたのか判明すれば物語として終わるかな思っていたのですけど、主人公が美織さんを捜す中で、好きっていう動機だけで捜すことに対して、いろんな意見をいろんな人間からもらったり、そこが落としどころを考えた時に、主人公には幸せになってほしいと思ったし、読んでくださった方にも、良い気分で読み終えて欲しいと思った。
* 生きづらさを感じている人に寄り添い、自分を見つめ直すきっかけをくれる1冊です。
渡辺優プロフィール
1987年宮城県生まれ。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『クラゲ・アイランドの夜明け』『アヤとあや』『カラスは言った』『私雨邸の殺人に関する各人の視点』『月蝕島の信者たち』などがある。(Amazonより)
ひとこと
ミステリー感覚で読んでいたら、人間関係や、自分のことにについても考える感じの作品のようですね。正解がないから、読み終わったときに誰かと語り合いたくなるそうですよ~。私的には何故このタイトルなのか、その意味を知りたくなりました。それでは、また来週。




