王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

インタビュー
夏川さん:
雄町先生のシリーズはこれからも時間はかかりますけど、何冊かゆっくり書いていきたい。ひとつ大きなポイントとして、続編ではあるのだけれど、単発の一冊の本としてもじゅうぶん楽しめるよう気を付けた。
―――名セリフがありすぎて、私はもう何度読んでも涙してしまうシーンがある。
夏川さん:
私自身が臨床現場で患者さんを診ていて、医療を描くときには、出来るだけ患者さんだけでなく、それを取り囲む家族の姿、傷ついたところから立ち直る過程まで視野に入れたい。そういう感覚を持っている。それを小説の中に描きたい。
―――名ゼリフがありすぎて、ずっと読みながら心打たれていた。言葉は返ってこないんだけれども、ずっと言葉をかけ続けるマチ先生の姿に本当に心を打たれました。
夏川さん:
患者さん本人に話しかけて声が届くかもしれないということはもちろんなんですが、話しかけることで家族も安心する。そういう空間に(自分自身で)気づくようになった。少しでも出会ったいい風景は書き残しておきたい。
人間同士のいい関係とか、美しい景色をできるだけ描いておきたいということは常に心掛けている。人間の闇を描くのも文学ですけど、善とか美しいものを描く方が、闇を描くより難しいのではないかという思いが年々強くなっている。そこに心を動かしてくれる読者がいれば嬉しい。
*患者とその家族に寄り添う雄町哲郎の優しい言葉たちが胸を打つ感動作です。
夏川草介プロフィール
1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書は2010年本屋大賞第2位となり映画化された。他の著書に、世界四十か国以上で翻訳された『本を守ろうとする猫の話』、『始まりの木』、コロナ禍の最前線に立つ現役医師が自らの経験をもとに綴り大きな話題となったドキュメント小説『臨床の砦』、2024年本屋大賞第4位、京都本大賞を受賞した『スピノザの診察室』など。(Amazonより)
ひとこと
夏川先生、本当に優しいお医者さんなんだなぁ~って、そのお人柄を感じるインタビューでした。作品もそのままという感じで、患者さんだけでなくその家族のケアを視野に入れながらという診察が印象的。たくさん胸に来る言葉が出て来るそう。これは見逃せない1冊。シリーズを意識せず、すぐこの作品から読めるのも嬉しいですね。それでは、また来週。





