王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

インタビュー
―――人間の先入観の浅はかさをとても実感しました。注意深く読んでいたんですけど、まんまと騙されちゃましたね。
森さん:
騙したかったんで、それは嬉しいです。
―――1回、2回じゃないです。だいぶ騙されていました。
森さん:
良かったです。
森さん:
ミステリって謎解きの部分が一番のメインの読みどころ、読者の楽しみにするとこだと思う。メイン以外の部分もすごく強い作品に出来たら、アトラクションも楽しいけど、レストランも美味しい遊園地にみたいな、メインの要素以外も楽しんでもらえるような作品にしたい。
―――ひとつひとつの調査案件の推理自体もとても面白くて、読み終わった後に、もう1回読んだんですけど、見え方が全然違いますね。
森さん:
ありがとうございます。そういう読み方をしてほしいというか、1回だけで終わっちゃうんじゃなくて、もう1回楽しめる形になると、よりエンタメとしていいかなと思っていたので、そう言ってもらえてすごく嬉しいですね。
―――今回って大どんでん返しがひとつじゃなくて、カードがめくれていくみたいに、ひとつひとつ次から次へとめくれていくじゃないですか。
森さん:
1回だけだと普通かな、自分自身も読者としてなってたりするので、1個だけじゃなくていっぱいとか、その1個をどれだけ重い一撃にするかみたいなことを、意識しながらやったりはする。ちゃんと意味がある形でどんでん返しにしたい。驚かせるためだとしても、ちょっと違う角度にして、味を変えたりしたいなと思っています。ミステリなので最後に驚いて欲しいというのと、驚きから何かを感じてもらえるような作品にしたい。ミステリ初心者の方にも、ミステリ好きなマニアの方にも楽しんでもらえたら嬉しいなと思っています。
* すべがひっくり返される新感覚のミステリーです。
森バジルプロフィール
1992年宮崎県生まれ。九州大学卒業。2018年、第23回スニーカー大賞《秋》の優秀賞を受賞。2023年、『ノウイットオール あなただけが知っている』で第30回松本清張賞を受賞し、単行本デビュー。他の著作に『なんで死体がスタジオに!?』がある。(小学館HPより)
ひとこと
インタビューVTRのあと、いつのようにスタジオに切り替わったのですが、インタビュアーさんが、「すでにスタジオにいる人は騙されていますよ!」と謎の発言。みなさん「えーなに?どこが?」とザワザワしたんですけど、本当に分からない。なんだったのだろう。読めばわかるのでしょうね。気になります。ということで、何かいろんな意味で丸ごと騙されてしまうような作品?なのでしょうか。読み始めたら、本が閉じられない面白さがありそうですね。それでは、また来週。




