王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

インタビュー
―――何回もびっくりして、ちょっとゾクっとして、ザプライズでびっくりするような。
綿原さん:
そこまで怖くないかなって自分では思っているんですけど。ホラーをあまり読んだことがない方にも読んでいただきたいなと思っています。
―――今回「人魚伝説」がテーマになっているじゃないですか。
綿原さん:
人魚を題材にした創作物は多いけど、自分なりの人魚伝説を解釈して書いてみたいと思ったのがきっかけです。
―――もともとそういった伝説もあったということですか?
綿原さん:
八百比丘尼の伝説っていうのは、人魚の肉を食べると不老不死になれるって伝説があって、そこから着想を得てはいるんですけど、不老不死になれるだけじゃなくて、その上美しくなるというところまで広げた。そこが現代的というか、ルッキズムに繋げることができた点かなという風に思います。
―――今回、人魚というのが、妖怪・伝説のなかで、ちょっと怖いって入りではあるけれど、読んでいると人魚の方が怖いのか?人間の方が怖いのか?というのをとても考えさせられるなという感じがした。
綿原さん:
所謂「ヒトコワ」を意識したわけではないんですけど、人間ドラマを書きたいという意識で書いていたので、結果的にどちらかというと「ヒトコワ」に寄っていったのかなと思う。
―――前半の物語が後半に繋がってたりっていうのがとても面白く読ませていただいた。
綿原さん:
長編としての一つの大きな謎と、それとはまた別に一話ごとに退屈せずに楽しんでいただけるように、ひとうひとつの話で仕掛けやサプライズを用意するは意識して書いたので、そういうところが上手くいったのかなと思います。
*4つの物語を通して美の価値観を見つめ直したくなる1冊です。
綿原芹プロフィール
福井県出身。2025年『うたかたの娘』で第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉〈カクヨム賞〉をW受賞し、デビュー。(カドブンより)
ひとこと
怖いというよりは奇妙でちょっと恐ろしいといった感じみたいです。なので、ホラーがすごく苦手な人でもチャレンジできそうな作品。「人魚」って確かに神秘的ですよね。これがどう人々に絡んでくるのか興味があります。それではまた来週!




