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【王様のブランチ】城戸川りょうさんインタビュー<高宮麻綾の退職願>(2025年11月1日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

 

高宮麻綾の退職願 (文春e-book)

高宮麻綾の退職願 (文春e-book)

インタビュー

―――2作目が半年後に刊行されるというすごいスピードですね。

 

城戸川さん:

ビックリしています。第二巻からでも楽しんでもらえるように、第二巻を初めて読んだ人が置いてけぼりになるような話にはしたくなくて、かと言って説明をものすごくしてしまうと、一巻の読者の方が、またこの話かとなってしまうところがあると思うので、必要最低限の説明にとどめて、でも、今作から読んでもしっかりと楽しんでもらえるように結構気を使いました。

 

 

 

―――やはり主人公が最高なんですよね!

 

城戸川さん:

嬉しいです。今回書きたかったこととして高宮麻綾が一巻ではかなり強いキャラクターかつ芯もあるから、一旦倒れたと思ったら、またしなやかに立ち上がるみたいな、そんな彼女も弱さがある。弱さもあるし迷うし、でもそこからなんとかそれをはねのけて次にというところまで第二巻では書きたいなと思っていたので、そこを楽しんでいただけるといいです。

 

―――この中にスパイがいたらと高宮自身も考えると思うんですけど。

 

城戸川さん:

産業スパイがいるかもって思いながら仕事するのってすごいストレスフルだと思う。本当にオフィスひとつとってもいろんな人が出入りしますので、もしかしたらあの人がっていうのは、日本や世界のどこかで起きてもおかしくないなと思って、今回小説を書きました。

 

―――まさかのクビ宣告でした。いつも前向きだった高宮がどん底まで落ちちゃうんですよねぇ。

 

城戸川さん:

私も書きながら、この後どうするんだろうと思いながら、これ、辞めるしかないんじゃない?....ってあったんですけど、彼女がやっぱり落ち込んだのは、自分もそうだし、周りに迷惑をかけてしまったことにどう向き合うか、一緒になってハラハラしてほしいし、楽しんで欲しいですね。

 

―――今作もラストしびれました。

 

城戸川さん:

ラストも登場人物たちに人生がある。高宮たちだけがハッピーになって終わりにはしたくなくて、そこに関わったいろんな人たちが、この後どういう人生を送るかにも責任を持って書きたいなという気持ちはありましたので、最後はああいう終わり方になったのかなと思っています。

* 熱くてパワフルなお仕事小説です。

城戸川りょうプロフィール

1992年山形県生まれ。山形県立山形東高校卒業。東京大学経済学部卒業。商社勤務。2025年3月『高宮麻綾の引継書』で作家デビュー

ひとこと

第二巻ですが、そこは気にせず読めるとのことです。読むとみんなが主人公のことが好きになるそうですよ。「成瀬シリーズ」に近いものを感じます。著者の城戸川さん、スーツ姿でインタビューされていてビジネスマン!って感じの方でした。プロフィールを確認したら商社にお勤めなんですね。なるほど、納得です。それでは、また来週。

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