王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

インタビュー
―――最初はちょっと不思議な物語なのかなと思ったんですけど、私たちの世界でも言葉で傷つけることってたくさんあるので、決して無縁な物語ではないってことが、すごく突き付けられる感覚がありました。
乾さん:
ものすごく世界線を変えてしまっている、そういう物語でありながら我々に通じるところがあるという風に受け取ってくださるとしたら嬉しい。
―――見たことがないとても斬新な設定だと思うんですけど、着想のきっかけって何だったんでしょう?
乾さん:
「アンナチュラル」っていうドラマが個人的にすごく好きで、いいな、すごく面白いなって憧れの気持ちで観ていた。法医学というハードルがとても高くて、私には手が出ないなぁと思っていたところ、死因の法医学ができないなら死因をつくればいいじゃない。悲しみで死ねる世界にしたら「何の悲しみで亡くなったのか」がそのまま死因究明の話にできると思って、このような話にしました。
結局この物語は、悲しみという名の死因究明という物語ではあるんですけども、本当のところは亡くなった方の心にしかないもの、亡くなった方にしか説明ができないものだと思うんですよね。こうであったんじゃないか?というところまでしか本当はわからない。作者の私としても決めつけることができないかなと思いながら書きました。
何を悲しく思うのかは、何を大事に思うのかということにもつながる。人の数だけあると思うんですよね。それは自分自身でも大事にしていきたいことですし、周りの方々が大事にしていることも不可侵のところではあるんじゃないかと思います。
*人の絶望や悲しみに触れることで自分の生きる理由を見つめ直した1冊です。
ひとこと
誰にでも決めつけてしまうことってありがちですよね。本作を読むと、そんな自分の決めつけ具合が分かるんじゃないかと感じました。作家さんもドラマを観てそこから刺激を受けて小説を書くってこともあるんですね。それでは、また来週。




