王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――そもそも小説を書こうとしたきっかけは?
山口さん:
高校生時代に文芸部に所属していたことがあって、医者になるのをきっかけに、執筆をやめてしまった。どうしても世に出したい物語だった。何度も書き直して、書き始めてから世に出るまで2年半以上かかった。
山口さん:
自分と瓜二つの死体の心肺蘇生をする場面というのが一番最初に思い浮かんだ。そういうことがあったら謎として面白い、その謎を解きたいんじゃないかという出発点があって。死体のルーツをたどり、自分のルーツに向き合う人生の物語を書きたいと。
―――歩みを進めていくうちにどんどんボルテージが上がっていく感じも、とっても楽しかったです。構成っていうのはどう考えたんですか?
山口さん:
根幹にかかわるアイデアはったけど、あと一歩が足りないと思っていたところで、娘が当時1歳だったんですけど、午前4時ぐらいに夜泣きして起こされて、その瞬間に根幹のトリックを思いついた。「あ、これは面白い!イケる!」と手ごたえを感じ、それをそのまま書いた感じです。起こされて良かったなぁ~って(笑)
―――自分の生まれについて疑ったことがない。秘密が隠されているとは思いもしない。自分の生まれのこととか、親のこととか、じっくり考えさせられる作品だったなと感じました。
山口さん:
そう言っていただけると嬉しいです。結末をどういう風に描くのが一番以いいのか?というのはすごく考えて、彼のたどり着く場所を見届けいただけたらいいのかなと思います。
* 自分のルーツ、そして人生を改めて振り返りたくなる物語です。
山口未桜プロフィール
1987年兵庫県生まれ。神戸大学卒業。現在は医師として働く傍ら、小説を執筆している。2024年『禁忌の子』で第三十四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
ひとこと
またまた兼業系の作家さんが登場ですね。現役のお医者さんだそうです。それゆえ「蘇生」のシーンなど、かなりリアルに描かれているそうですよ。それにしても、自分にそっくりな死体って....考えただけでも怖すぎる。でも絶対調べたくなりますよね。どんな結末が待っているのか楽しみな1冊です。それでは、また来週。