ニッポン放送あなたとハッピー!2023年3月9日放送分
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!
毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。
■本日の一冊 あなたはここにいなくとも:町田そのこ
■内容
ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。出会いも別れも愛おしくなる物語
恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。(Amazonより)
■放送内容
以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。
・短編小説集。読み終えるとタイトルのすごさが解る。
・5つの物語、自分と重ねてしまう人物が必ず出て来る。
・どの話にもおばあちゃんが登場する。主人公と繋がりが強く、物語に爪痕を残す。
・恋人に紹介できないような家族がいる。会社のいじめによって対人恐怖症なる。人間関係を無性にリセットしたくなる衝動。本来はわきまえていたはずの不倫。幼馴じみとの別れ。などの話。
・中瀬さんは4話目が好きだそう。思わぬ展開に「はぁ...やられた!」となった。この作品はデビュー前に執筆していたものを書き直した。
・こんなに人の気持ちに手が届く作家はなかなかいないなって思うほど、細やかでそっと手を置いてくれる感じが堪らない。
・そこにはいない人に(悩みの)ヒントをもらうような話が多い。小説ってこういう時に読むものではないかと。
・本当に癒してくれる小説。自分の中で溶け出す感覚があった。ぶわっと涙が出ました。デトックスさせてもらった感じ。
・登場人物たちの世代間も注目。年上の人達が伝えたい本当にいいことを、この物語の若者たちは気づいているのがまたいい!
■町田そのこプロフィール
1980年生まれ、福岡県在住。2016年「カメルーンの青い魚」で第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年、同作を含む短篇集『夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞。他の著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家 (創元文芸文庫』『星を掬う』『宙ごはん』「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)」シリーズがある。(新潮社著者プロフィールより)
町田さんのこの作品も面白かったですよ!引っ越し先の家が、実は....的な話。住み続ける?それとも...。
■後記
垣花さんも、熊谷さんも泣いたそうですよ!個人的には、生きづらさとか、お婆さんの登場とか、窪美澄さんの作品を彷彿させられる感じもありました。お二人とも「R-18文学賞」受賞されていますから、共通点があるのかもですね。この文学賞きっかけで読むようになった作家さんがたくさんいます。素晴らしい賞ですねぇ。町田さんも注目です。本日のブックソムリエは、3人ともすごく癒された感じが伝わって来ました。垣花さんが泣いたぐらいですから、かなり来てるんじゃないですかねぇ~。それでは、また来週!
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