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【王様のブランチ】河野裕さんインタビュー<愛されてんだと自覚しな>(2023年6月3日 )

 

本日の王様のブランチ・BOOKコーナーで紹介された本を紹介します。

王様のブランチ(2023年6月3日放送分)の、話題の本と著者のインタビューをまとめて掲載しています。

愛されてんだと自覚しな:河野裕

■内容

千年ぶんの愛も、今この一瞬のときめきも。
最高にポップなモダン・ファンタジー。
千年前、女は神からの求婚を袖にして、愛する男と共に輪廻転生の呪いをかけられた。生を繰り返すふたりは様々な時代で出会っては別れ、そして現代。壮大な過去を背負う岡田杏は、しかしすっかり「運命の恋人探し」を放棄して、ルームメイトの盗み屋・祥子と共に令和の世を謳歌していた!?人と神とが駆け回り、時を超えた愛と欲とが入り乱れる只中で、悠々と我が道を行く最強コンビの物語!(Amazonより)

■河野裕プロフィール

1984(昭和59)年、徳島県生れ。兵庫県在住。2009(平成21)年、『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。2015年、『いなくなれ、群青』で大学読書人大賞を受賞。同作から始まる「階段島」シリーズは2019(令和元)年『きみの世界に、青が鳴る』で完結した。2022年、『君の名前の横顔』で「読者による文学賞」を受賞。著書に『昨日星を探した言い訳』、「架見崎」シリーズとして『さよならの言い方なんて知らない。』などがある。(新潮社・著者プロフィールより)

 

 

■インタビュー

 

河野さん:

とにかく私自身がめちゃめちゃハッピーな恋愛小説を読みたかった。今回は難しいことをなにも語らずにただただハッピーな小説を書こうと決めて書き始めたので、ずっとハッピーなものを書いていったらこうなりましたよ、っていう感じです。

 

―――読んでいてずっとハッピーでした。転生のルールを読んだとき、「これじゃ、愛し合えないじゃん」って思いましたけど。丁度、すれ違っちゃうんですよね。切ないルールをまた....って。

 

河野さん:

そうですよね。最初から最後までずっと岡田杏は幸せだったという小説にしたかったんですよ。それが成立するひっくり返し方ができるルールというか、構造が明らかになってから振り返ってみると全部のシーンがあのキャラクターは幸せだったとわかるルールを作るのが大事だった。それが達成できるルールにしたって言う感じですね。

 

―――最初タイトルを見た時に、恋愛小説なんだなって思って手に取ったら、「ミステリー?」「サスペンス?」って思ったんですけど、あれは狙いだったんですか?

 

河野さん:

要点としては登場人物それぞれが別々の意味で「徒名草分通録」に興味をもっているところさえしっかりとしておけば、もう何をやっても絶対にまとまる小説だと思っていた。わりと細かいことは気にせずに、瞬間瞬間で書きたいものを書いていた感じですね。

 

輪廻転生ものって決めた次に決めたのがタイトルなんです。

 

―――そうなんですか?私は最後に決めたのかと思っていました。

 

河野さん:

タイトルって早く決まれば決まるほど小説が書きやすくなる。このフレーズをタイトルにするかどうかは別として、クライマックスで使おうというフレーズがまず浮かんだ。それがこのタイトルだったんです。それに合わせてお話を考えた感じですね。

 

―――あんなにグッとくるラストシーンが、最初に浮かばれていたって、ちょっと意外なお話でした。

 

※タイトルの意味を知った時、笑みがこぼれる一冊です。

 

■ひとこと

 小説のタイトルはどの段階で決まるのか、非常に興味深いお話でした。「タイトルって早く決まれば決まるほど小説が書きやすくなる」、小説を書いたことがないのでよくわかりませんが、そういうものなのかと、妙に納得。しかも河野さんの場合は、クライマックスのシーンのフレーズまで決まっていたとか。いやぁ~スゴ技ですねぇ。ということで、今回はタイトルからして謎解きしたくなる一冊でした。きっとハッピーエンド...ですよね。

それでは、また来週!

 

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