王様のブランチのBOOKコーナーの作家インタビューの内容をまとめています。
spring:恩田陸
発売3日で重版決定!
インタビュー
―――テレビのご出演はひさしぶりだと伺ったんですが。
恩田さん:
滅多にに出ないので、いつぶりかも覚えていない。とても緊張しています。
―――今回、バレエ小説に挑戦した理由は?
恩田さん:
お芝居をテーマにした小説も書いたし、ピアノコンクールをテーマにしたものも書いたんですけど、次にハードル上げるじゃないですけど、何かチャレンジするなら、もっと言語化しにくいものと思ってバレエを書いてみようと思った。やっぱり大変でした。
―――春が踊っている間、鳥肌が止まらなくて圧倒されました。もう、春が大好きです。
恩田さん:
私も大好きです(笑)
―――踊りを文章にする上で工夫されたことはありますか?
恩田さん:
バレエ用語や専門用語はなるべく使わないようにしようと思って、それで読んで分かるように書きたいなと。そこを一番気を付けた、ポリシーにしていたところです。
―――私もバレエに触れたことはなかったんですけど、それなのに鮮明に画が浮かぶ。
恩田さん:
踊っているところが読んだときに想像できるかどうか、すごくいつも考えながら書いた。そこがやっぱり難しかった。
―――いわゆる「天才」を描く上で、意識されたことはありますか?
恩田さん:
4章ぜんぶ他人からの目線で書こうかと思っていたんですけど、どうしても天才を書いていくと、だんだん理解不能のモンスターになってしまう。3章まで書いて、やっぱり理解できないなって思い、最後は春の視点にした。そこで納得できた。
―――1~3章の春は浮世離れしたような才能を持っている。4章で春も痛みを感じているんだなって。
恩田さん:
意外と人間的だった。
―――バレエってこんなにも面白いものなんだって思いました。
恩田さん:
そう思っていただけて嬉しいです。この小説を気に入ったり興味を持ったら、是非、生の舞台をみてもらいたいです。
*恩田さんの情熱と、見事な筆力で描き出される天才ダンサー・春を追った傑作バレエ小説です。
ひとこと
恩田陸さんがテレビに出ているところを拝見するのは初めてでした。それくらいあまり表に出ない方だったのですね。今回はバレエがテーマ。女性のバレエダンサーを勝手に想像していたのですが、主人公の春はどうも男性のようです。どんな風に描かれているのかなぁ~。恩田陸さんは芸術関係の小説を多く書かれているそうです。毎回選ぶテーマのハードルをご自身で上げているストイックさがスゴイです。本作、早くも大変人気作のようです。お見逃しなく!それでは、また来週。
恩田陸プロフィール
1964年、宮城県出身。小説家。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞、06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。ほかの著書に『愚かな薔薇』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』『夜果つるところ』、エッセイ集『土曜日は灰色の馬』『日曜日は青い蜥蜴』『月曜日は水玉の犬』など多数。(Amazonより)
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