王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。
インタビュー
―――女性政治家をテーマにしたきっかけってなんですか?
新川さん:
自分が生活する中で、どうしても女性差別を感じることがあって、1回正面から女性差別について書いてみたい気持ちがあったんですね。社会地位が高く、バリバリ働く女性が直面する差別を書きたいと。
―――女性にはもちろん、たくさん共感を得られるからこそ男性にも読んで欲しいって思いますよね。
新川さん:
そうですね!
新川さん:
女性差別、ジェンダーって言ったときに、「女の人はこんなに大変なんです」「かわいそうなんです」で終わっちゃいけないって思っていて、その現状をどうにか変える時に、個々人がちょっとずつ踏ん張らなきゃいけない場面が誰にでもある。そのもうひと踏ん張りを描きたい。そういう気持ちになってもらえたらいいなと思って。
―――読んで「強くなりたい!」ってすごく思いましたし、この作品に勇気をもらえたなと思いました。
新川さん:
政治の話ってすごく遠いイメージがあるんですけど、読者に自分と重ねて我が事のように読んでもらう必要がある。永田町を内側から書くっていう没入感に注意して書きました。
―――真相を知った時に、ある人物の見え方が一気に変わる。え?そんな秘密があったのって。
新川さん:
ミステリの大どんでん返しは、結局人間の多面性だと思うんですよ。人間を単純に捉えず、いろんな要素や、いろんな面がある。
*政界で生きる強い女性たちに勇気をもらえる一冊。
ひとこと
最近ミステリーの大どんでん返しの作品って流行っているのかな。読者はひっくり返されること面白さを期待しているのかも!?なんて思うほど、どんでん返し系の小説が話題になりますよね。
本作は、女性政治家の話だそう。かつて原田マハさんは女性の総理大臣の小説を書いていたなぁ~なんてことを思い出しました。➡総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫) まだまだ女性の数が少ない日本の国会。小説からもじわじわと女性政治家が活躍する場面を増やすことも大事かも...なんて思いました。それでは、また来週。
新川帆立プロフィール
1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身。宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』『縁切り上等!』などがある。(Amazonより)