えとせとら本棚

新しい本との出会いにわくわく。一冊の本から次の一冊へ。

【王様のブランチ】 ミステリー作家が驚いたミステリー作品を紹介(2024年1月6日 )

 

王様のブランチ「ブックコーナー」で紹介された本の紹介のまとめです。

新年を迎えたブックコーナーの第一弾は、湊かなえ×呉勝浩×新川帆立による、 ミステリー作家が驚いたミステリー作品を紹介!です。これは見逃せない!

 

インタビュー

―――みなさん、月に何冊ぐらい本を読みますか?

 

湊さん:

私は漫画好きで、小説は月に1冊読めたらいいなと。今、文学賞の選考員をさせていただいてまして、デビュー前の新人の方の原稿はたくさん読ませてもらっています。

 

―――ちなみにどんな漫画ですか?

 

湊さん:

「呪術廻戦」とか「ゴールデンカムイ」も好きだし(笑)

 

―――呉さんは?

 

呉さん:

月6冊くらい。だいたい読書している時は逃避している。仕事イヤイヤ期。その時に集中して読みます。読むのはだいたいミステリ。

 

新川さん:

逆に私は仕事で追い詰められているときに小説を読むのは辛いんですけど。全然関係がない星座の話とか読んでいます。読書量は月20から25冊くらい。半分は小説。半分は新書とかノンフィクション系。

 

 

新川さんが驚いたミステリ小説

新川さん

私が一番悔しくて騙された本。同じものを書いている人間としては、絶対に解いてやる、解けるっしょくらいな感じで読み始めたら、最後の数ページで「えーー!」って驚かされる。リーガルミステリーって、リーガル部分の面白さと、ミステリー部分の面白さがそれぞれあって、リーガル部分って調べれば書けるので、積み上げ式で面白くできる。これはミステリで読者を刺すという強い意志を感じる。レビューとかを読まないで読んでください。

ちなみにこの作品は、湊さんも呉さんも読まれているそうです。

・読まなきゃミステリ作家を名乗っちゃダメ(湊さん)

・自分の常識がズラされる、ひっくり返る。それをみごとに満たしている作品(呉さん)

呉さんの驚いたミステリ小説

呉さん:

この作品は展開の持っていき方が上手い。やろうとしていることはすごい。最後まで自分のルールでやり通すことが怖い。今村昌弘という作家が怖くなる。最後の方にあるとんでもない事実が明らかになって、普通はここで終わるんです。今村という男はですね、そこからさらに自分の始めたゲームを、ちゃぶ台をひっくり返しながら、さらに続けていく。どうかしている(笑)それは結構冒険だしリスクが高い。でもそれをいい意味で力技でねじ伏せて行こう。それくらい異様な情熱みたいなものを僕は感じた。

湊さん:

呉さんのプレゼンですぐ売り切れになるから、今日買って帰らなきゃ(笑)

 

 

湊さんが驚いたミステリ小説

湊さん:

犯人が分かった時に「えー!」って声が出たのがこの作品。自分がエンタメ作品を書く上ですごく参考にしている。この長さは一晩で一気読みできる長さ。中だるみすることなくフェアにトリックを置いていて、この枠の中にいかにつくれるかいつも参考にしている。エンタメのバイブルだと思っています。

(未読のインタビュアーに)

私も記憶を消してもう一度読み直したいくらい。今から読める幸せ。

 

―――初めて読んだアガサ・クリスティー作品は?

 

呉さん:

僕は正直「アクロイド殺し (クリスティー文庫)」の方が自分の人生に傷をつけた作品。小学校4年生頃に最後の場面で「わぁ~!」となって、台所にいたオカンが「アンタなにがあった!?」って(笑)

 

新川さん:

私は「オリエント急行の殺人 (クリスティー文庫)」を小6くらいで読んで、それがファーストアガサ・クリスティーだったので、「はぁ!」ってなりました。

 

ひとこと

アガサ・クリスティーを小学生の時にみなさんすでに読まれていたそうで。さすがミステリ―作家さんだなぁ。今回興味深かったのは、執筆するときに映像を頭の中に浮かべながら書く湊さんと呉さん。それに対して新川さんは映像が浮かべないと言う。映像を浮かべず書くってすごくないですか?人間の脳の動きって千差万別で本当に面白いなぁと感じずにはいられませんでした。

ということで、今年初の王様のブランチのブックコーナーは、今すぐ買いたくなる魅力的なミステリー小説でした。

それでは、本年もどうぞよろしくお願い致します。また来週!