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【王様のブランチ】佐原ひかりさんインタビュー<鳥と港>(2024年6月8日 )

 

王様のブランチで紹介された作家のインタビューをまとめて掲載しています。

 

鳥と港

鳥と港


 

インタビュー

 

佐原さん:

私自身が仕事へ行くのが嫌で海に逃げて、そのまま会社を辞めたことがある。働くことに対してネガティブなイメージがあると思った。働くってそういうものみたいなのを、読んでもらったことで変えていけたらなと思う。

 

―――二人の手紙に書かれている言葉が凄く優しいですよね。一緒に文通している気分になりました。

 

佐原さん:

めちゃくちゃいい読者(笑)

 

 

 

 

―――今回のテーマを思いついたきっかけは?

 

佐原さん:

小学校の時に、近所の神社に木があって、その木にウロがあった。(※ウロ:木の空洞になっている部分)そこに友達と手紙を入れてとお互い交換していたことがあった。もしそれが違う人の手に渡っていたら、ちょっとおもしろいことになっていたのかなと思い出して。

 

―――誰に届くか分からないワクワクがあって、見つけてもらえるかも分からないっていう楽しみが素敵だなと思った。

 

飛鳥の印象的だった台詞が、「ないならつくっちゃえばいいんですよ、仕事」あの言葉で、みなとの自身も背中を押される、引っ張ってもらえた感じがする。

 

佐原さん:

ふたりが一緒にお仕事をしていく上で、仕事に対するスタンスとか、考え方の違いが絶対に出て、ぶつかると思っていた。ぶつかった後に、それぞれがどう行動をとるのかを考えた時に、あのラストが浮かんだ。

 

―――ふたりの関係性が、いろんなことがあるけど強くなっていく。ふたりがこのままずっと幸せに続けてほしいなって思いました。

 

佐原さん:

私も祈りながら書いていました。

 

*年の離れた男女が新しい働き方を見つけるまでの物語です。

鳥と港

鳥と港

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ひとこと

佐原さんの子どもの時のエピソード、最高ですね。自分たちだけのポストみたないなもの、なんとなく自分もそんなことをしたような記憶があります。秘密の場所的な。そうか~、そういう記憶が、のちに物語という形になって世に出て来るのだな~という小さな感動が、本日のインタビューにありました。それでは、また来週。

 

佐原ひかりプロフィール

1992(平成4)年、兵庫県生れ。2017年、「ままならないきみに」で、第190回コバルト短編小説新人賞を受賞。2019(令和元)年、『ブラザーズ・ブラジャー』で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞。ほかの著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』などがある。(新潮社・著者プロフィールより)

佐原さんの作品

ペーパー・リリイ